トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)と日本電信電話株式会社
(以下、NTT)は交通事故ゼロ社会の実現に向けて、モビリティ分野
におけるAI・通信の共同取り組みに合意!
(左から)
トヨタ自動車株式会社 代表取締役社長 佐藤 恒治、
日本電信電話株式会社 代表取締役社長 島田 明
両社はこれまでの協業を通じて、技術や産業の発展を通じた社会貢献や、人中心の考え方、日本を起点としたグローバルへの貢献といった共通の価値観を有していることを確認してきました。
今回、安全と自由が調和した豊かなモビリティ社会の実現に向けた第一歩としての「交通事故ゼロ社会」を目指し、協業を更に深化させていきます。
交通事故ゼロ社会の実現には、クルマ側でのデータドリブンによる運転支援技術の高度化や将来的な自動運転技術の開発に加え、ヒト・モビリティ・インフラが「三位一体」で絶えず繋がるインフラ協調型の取り組みが必要です。
双方を実現するために、トヨタは安全安心を第一優先としたSDV(Software Defined Vehicle)の開発を進めています。SDVの進化と並行して、高速・高品質な通信基盤と、膨大な情報を収集し賢く処理するAI基盤や計算基盤といったインフラの構築がより重要になります。
今回通信に強みを持つNTTとトヨタは、切れ目のない通信基盤と、大量のデータを賢く処理するAI基盤や計算基盤を組み合わせた「モビリティAI基盤」を共同で構築します。それによりヒト・モビリティ・インフラを繋げ、交通事故の無い安全安心でサステナブルなモビリティ社会の実現を目指してまいります。
(左から)
トヨタ自動車株式会社 シニアフェロー 山本 圭司、代表取締役社長 佐藤 恒治、
日本電信電話株式会社 代表取締役社長 島田 明、常務取締役 大西 佐知子
共同の取り組み内容
「モビリティAI基盤」を共同で開発/運用し、交通事故ゼロ社会の実現に向けた取り組み*1に活用してまいります。モビリティAI基盤は複数の要素*2により構成されています。
モビリティAI基盤はモビリティ分野での標準化を目指し、両社だけでなく交通事故ゼロ社会の実現という大義に共感いただいた産官学のパートナーの皆さまに広く活用いただくことを想定しております。
本取り組みにおいて、今後両社で2030年までに5,000億円規模の投資を見込んでおります。2025年以降、モビリティAI基盤の開発をスタートさせ、2028年頃から様々なパートナーの皆さまと、三位一体でのインフラ協調による社会実装を開始、2030年以降の普及拡大を目指してまいります。
*1 交通事故ゼロ社会の実現に向けた主な取り組み
●死角のある交差点における出会いがしらの接触防止など「三位一体型インフラ協調」
●大量の走行データに基づき、AI自らが学習するデータドリブンな「高度運転支援/将来的な自動運転システムの開発」
●事故に繋がりうる危険行動を避けることを促す「AIエージェントの開発」
「三位一体」での交通事故ゼロ社会イメージ
*2 モビリティAI基盤を構成する要素
①分散型計算基盤(データセンター)
AIで膨大なデータを分析/処理するための計算資源(データセンター)を、IOWNの光通信技術を活用し、分散した場所に設置。再生可能エネルギーが豊富な地域に立地させることで電力の地産地消の実現と、分散した計算資源やAIの連携・処理における高い電力効率を実現することで、データ分析/処理に必要となる膨大な電力のグリーン化を推進
②インテリジェント通信基盤
市街地や地方・郊外などの様々な交通環境・状況に適した切れ目ない通信により、ヒト・モビリティ・インフラを協調させる仕組みを構築。信頼性が高いことに加え、大容量のデータに対する低遅延な通信を実現
③AI基盤
「分散型計算基盤(データセンター)」と「インテリジェント通信基盤」を土台にして、ヒト・モビリティ・インフラからの多様なデータを学習・推論するモビリティAIを実現
モビリティAI基盤の構成要素
プレゼンテーション
トヨタ自動車株式会社
佐藤 恒治 CEO
この度、NTTとトヨタは、交通事故ゼロ社会の実現を目指して、
モビリティ分野におけるAI・通信の基盤を構築していくことに合意いたしました。
まず私からは、今回の新たな協業に至った背景をお話しさせていただきます。
NTTとトヨタの原点は、
「人々の暮らしをもっと豊かにしたい」という志です。
この想いのもと、
両社は長年、安全・安心で便利な社会づくりのお役に立つために、
ヒト・モノ・情報の移動価値を高める製品やサービスをお届けしてまいりました。
コネクティッド技術の進展により、クルマが社会とつながっていく時代に入ると、
クルマと情報通信が一体となって社会基盤をつくる重要性が高まってまいります。
そして、両社の具体的な協業がスタートいたしました
まず2017年から、コネクティッドカーの普及を見据えて、
データ処理基盤などの技術開発を一緒に進めてまいりました。
2020年からは、クルマから街へスコープを広げ、
スマートシティの基盤づくりをテーマに、モビリティ社会という大きな視点で
協業関係を深めてまいりました。
そして今回、
次のステップとして、両社で、モビリティ社会を支える「AI・通信基盤」を構築し、
「クルマの未来を変える」取り組みを加速してまいりたいと思います。
クルマの価値を広げながら、社会システムとの融合を視野に入れて、
モビリティの多様な価値を生み出していく。
私たちは、それをけん引するクルマが、
ソフトウェア・ディファインド・ビークル、SDVであると思います。
クルマ屋のトヨタが考えるSDVの最も重要な提供価値は、「安全・安心」
すなわち、
交通事故ゼロの社会に貢献していくことです。
それは、私たちが目指している
「すべての人に移動の自由をお届けすること」にもつながってまいります。
社会とつながる、安全・安心なSDVを実現するために
まずクルマ側では、ソフトウェアプラットフォームのアリーン、
そして 電子プラットフォームも刷新していきます。
例えば、
必要なデータを抽出し、賢く適切な通信手段でデータを収集できるようにしたり、
ソフトウェアをスピーディにアップデートできるよう、
電子制御システムを大きく見直します。
そのうえで、カギを握るのは、AIと通信を活用した自動運転技術の進化です。
こちらのグラフをご覧ください。
日本における交通事故の発生要因別の件数です。
この10年で、予防安全技術の普及により、事故の件数は減ってまいりました。
しかしながら、クルマの追突は、依然として大きな割合を占めています。
出会いがしらや右左折時の事故も多く、さらなる努力が必要です。
こうした実態を踏まえて、2つのアプローチで取り組んでまいります。
ひとつは、「データドリブン開発」です。
市場の走行データをAIが継続的に学習し、
さらには、AIを活用して様々な運転シーンを生成したり、
少ないデータで学習できるようにしていきます。
それにより、シミュレーションの精度を上げ、スピーディにソフトウェアを改良して、
クルマの自律型制御の性能をさらに高めてまいります。
同時に、交通事故ゼロに近づけていくには、
もうひとつ、「三位一体型のインフラ協調」の取り組みが重要になります。
クルマが「インフラ・ヒト・他のクルマ」の情報 を絶えず収集できれば、
多くの事故に影響する死角を減らすことができます。
また、その情報をAIが学習することで、
人やクルマの動きを精度高く予測した運転支援も可能になってまいります。
これらにより、例えば、市街地では「出会いがしらの事故防止」、
高速道路では「スムーズな合流」、郊外では「移動課題に応える自動運転サービス」など、
様々なシーンで、安全・安心をより高度に実現すべく取り組んでまいります。
このように、AI・通信とクルマが連携して、
三位一体で、交通事故ゼロ社会に近づいていくこと。
そのために、私たちは「モビリティAI基盤」として、3つの基盤を構築してまいります。
ひとつは、分散型計算資源、データセンターの整備です。
私たちの試算では、SDVの台数が増えていくと、
2030年に必要となる通信量は今と比べて22倍、
計算量は150倍になってまいります。
NTTのIOWN(アイオン)技術を活用して、
この膨大な計算量を支えるデータセンターを分散して設置してまいります。
次に、信頼性の高い次世代通信です。
交通環境に応じて最適な通信方法をAIがリアルタイムで判断することで、
三位一体型インフラ協調に必要な、
高速で切れ目のない通信の基盤をつくってまいります。
最後に、AI基盤です。
計算資源と通信基盤を活かして収集するデータをもとにAIモデルをつくり、
自動運転やAIエージェントなど、様々なサービスの実装、
新たな価値創出につなげていきます。
NTTとトヨタは、2030年に向けて、「モビリティAI基盤」の構築を進めてまいります。
そして、オープンイノベーションを通じて、多くのパートナーとともに、
「モビリティAI基盤」を発展させていけるよう、
標準化を視野に入れて取り組んでまいります。
今回の協業を通じて、
NTTとトヨタは、クルマの未来を変えていく大きな一歩を踏み出します。
島田社長は世の中に新たな価値を生み出していくために
「人の力」と「挑戦」を何よりも大切にされています。
そのお考えに、私自身大変共感しております。
私たちは、「未来はみんなでつくるもの」だと思っております。
志を同じくするパートナーであるNTTと一緒に、
暮らしを豊かにする社会基盤づくりに挑戦できることを大変心強く思っています。
AI・通信で変えていくクルマの未来。
鎹八咫烏 記
石川県 いしかわ観光特使
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(順不同・敬称略)
トヨタ自動車株式会社(TOYOTA MOTOR CORPORATION)
紅山子(こうざんし)
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アーカイブ リンク記事をご覧ください。
Woven Cityの主な構想
トヨタ自動車次世代都市「Woven City」東富士
・街を通る道を3つに分類し、それらの道が網の目のように織り込まれた街を作ります。
①スピードが速い車両専用の道として、「e-Palette」など、完全自動運転かつゼロエミッションのモビリティのみが走行する道
②歩行者とスピードが遅いパーソナルモビリティが共存するプロムナードのような道
③歩行者専用の公園内歩道のような道
・街の建物は主にカーボンニュートラルな木材で作り、屋根には太陽光発電パネルを設置するなど、環境との調和やサステイナビリティを前提とした街作りを行います。
・暮らしを支える燃料電池発電も含めて、この街のインフラはすべて地下に設置します。
・住民は、室内用ロボットなどの新技術を検証するほか、センサーのデータを活用するAIにより、健康状態をチェックしたり、日々の暮らしに役立てたりするなど、生活の質を向上させることができます。
・e-Paletteは人の輸送やモノの配達に加えて、移動用店舗としても使われるなど、街の様々な場所で活躍します。
・街の中心や各ブロックには、人々の集いの場として様々な公園・広場を作り、住民同士もつながり合うことでコミュニティが形成されることも目指しています。
ZIPANG-4 TOKIO 2020 トヨタ自動車次世代都市「Woven City」東富士(静岡県裾野市)に2021年初頭より着工!
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/7555982
NTTとトヨタ自動車、業務資本提携に合意
本日、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ自動車)と日本電信電話株式会社(以下、NTT)は、両社の取締役会において、両社間で価値観を共有し社会の発展をめざすコアなパートナーとして、住民のニーズに応じて進化し続けるスマートシティの実現をめざし、スマートシティビジネスの事業化が可能な長期的かつ継続的な協業関係を構築することを目的として、業務資本提携(以下、本提携)に関する合意書を締結することを決議し、同日締結いたしました。
本提携の目的及び事業概要について
自動車市場では、市場ニーズの多様化、環境・安全にかかわる規制強化、先進技術の高度化、異業種参入、モビリティビジネスの多様化等が複雑に絡み合い、自動車産業そのものが大きな変革の時期を迎えています。
一方、情報通信市場では、クラウドサービスやIoT、ビッグデータ、AI等の急速な進展により、様々なデジタルサービスの利用が進んでいます。それらのサービスの利用を通じて蓄積されたデータを分析・活用することで、より良い方向への変革を実現するデジタルトランスフォーメーション(注1)が世界的に進みつつあります。
これまで、両社は、2017年3月27日に公表した「トヨタとNTT、「コネクティッドカー(注2)」向けICT(注3)基盤の研究開発に関する協業に合意-スマートモビリティ社会創造に向けて、技術確立を推進-」のとおり、コネクティッドカー分野での協業を行ってきましたが、このような経営環境の変化に対して、これまで培ってきた事業基盤の更なる強化に努めるだけでなく、両社の更なる協力関係構築により、持続的成長を可能とする新しい価値創造に取り組んでいく必要があると考えています。
(詳細は下記のURLよりご覧ください。)
ZIPANG-4 TOKIO 2020 速報 「 NTTとトヨタ自動車、業務資本提携に合意 」
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/7962132
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