日本を代表する陶磁器産地、岐阜県多治見市・瑞浪市・土岐市・可児市の
4市を会場に世界最大級の陶磁器の祭典開催!「国際陶磁器フェスティバル美濃′24」開催
~国際的陶磁器コンペティション「第13回 国際陶磁器展美濃」ほか、多数の催事を実施~会期:2024年10月18日(金)~11月17日(日)
世界最大級の陶磁器の祭典「国際陶磁器フェスティバル美濃’24」を、令和6年10月18日(金)から11月17日(日)まで、岐阜県多治見市、瑞浪市、土岐市、可児市4市の各会場で開催します。
「国際陶磁器フェスティバル美濃」は、日本を代表する陶磁器産地である岐阜県多治見市・瑞浪市・土岐市・可児市を会場に、1986年から3年に1度開催する世界最大級の陶磁器の祭典です。
「土と炎の国際交流」をメインテーマに、陶磁器のデザインと文化の国際的な交流を通じて、更なる陶磁器産業の発展と文化の高揚を目指しています。
世界中の国と地域の陶磁器作品が一堂に会する国際的陶磁器コンペティション「第13回 国際陶磁器展美濃」をはじめ、セラミックパークMINOをメイン会場に計7会場で展覧会を開催。さらに、漆芸修復師の清川廣樹によるデモンストレーション・講演をはじめとしたオープニング記念事業や、美濃焼関連の催事を多数そろえ、来場された方々が、美濃焼の歴史や魅力や地域の風土を存分に感じ、楽しむことができる、4市の陶磁器産業・文化・地域に密着した事業を開催します。
【 「国際陶磁器フェスティバル美濃′24」開催概要 】
名 称:国際陶磁器フェスティバル美濃′24
会 期 :令和6年10月18日(金)~11 月17日(日)
主 催 :国際陶磁器フェスティバル美濃実行委員会
会 場 : セラミックパークMINO (多治見市東町4-2-5)、ほか、
多治見市、瑞浪市、土岐市、可児市内各会場
観覧料:○ 第13回 国際陶磁器展美濃単独券
一般 800円、シニア(65歳以上) 700円 ※高校生及び18歳以下無料
○ 7館セット券
前売 1,200円、当日 1,500円
対象: 第13回 国際陶磁器展美濃(セラミックパークMINO展示ホール)と開催4市内の下記施設
岐阜県現代陶芸美術館、多治見市美濃ミュージアム、多治見市モザイクタイルミュージアム、瑞浪市陶磁資料館、土岐市美濃焼伝統産業会館、荒川豊蔵資料館(可児市)
・ 会期中の、セラミックパークMINOでの主な開催事業:
○ 第13回 国際際陶磁器展美濃(2024年10月18日(金)~11月17日(日))
○ オープニング記念事業(10月18日(金)~20日(日))
10/18(金) 審査員トークセッション
10/19(土) 清川廣樹氏による「金継ぎデモンストレーション&講演」、
「金継ぎ体験ワークショップ」、「金継ぎ作品展示・相談会」
10/19(土) 【セラミックバレー】佐藤卓氏、笠井政志氏、井澤秀哉氏による
トークセッション
10/20(日) 鈴木夏織氏による「美濃焼オカリナコンサート」
○ レストラン・カフェ
開催日時:会期中の11:00~15:00 ※ラストオーダー14:00
- 美濃Re(みのり)ランチ
世界的グルメガイドで2つ星を獲得した岐阜県瑞浪市の有名店「柳家」監修の会期中だ けのスペシャルメニューを、東濃で生まれた、環境に配慮したリサイクル素材での
オリジナル食器「Re-食器」で提供します。
予約方法:電話にて予約(TEL0572-74-5911 株式会社Bフードサービス)
受付時間 :月~土10:00~17:00
※10月18日(金)は関係者で貸切のため、ご予約いただけません。
- お茶会「美濃焼の茶碗で一服」:一服800円(お菓子付)
開催日時:会期中の毎週土日祝
・問合わせ先:国際陶磁器フェスティバル美濃実行員会 TEL0572-25-4111
◆ メインイベントは、国際的陶磁器コンペティション「第13回 国際陶磁器展美濃」
「国際陶磁器フェスティバル美濃′24」のメインイベントである 「第13回 国際陶磁器展美濃」は、国際的に認知された陶磁器コンペティションです。
1986年に第1回を開催、今回で第13回を迎え、近年の、陶磁器の分野での、新素材、新技術、領域のボーダーレス化などによる新たな発展が求められる傾向にともない、斬新な提案、そしてやきものの未来を切り拓く作品が一堂に会します。
去る8月には、国内外の審査員による最終審査会が開催され、応募総数3,890作品から、グランプリ、金賞を含む入賞21作品、および入選182作品を選出しました。
「国際陶磁器フェスティバル美濃′24」のメインイベントである 「第13回 国際陶磁器展美濃」は、国際的に認知された陶磁器コンペティションです。
1986年に第1回を開催、今回で第13回を迎え、近年の、陶磁器の分野での、新素材、新技術、領域のボーダーレス化などによる新たな発展が求められる傾向にともない、斬新な提案、そしてやきものの未来を切り拓く作品が一堂に会します。
去る8月には、国内外の審査員による最終審査会が開催され、応募総数3,890作品から、グランプリ、金賞を含む入賞21作品、および入選182作品を選出しました。
【グランプリ作品】作品名:Kiln (部門:陶芸部門)作者:IELIZAVETA PORTNOVA
在住国:フランス(国籍:ウクライナ)
【金賞作品】作品名:AMU (部門:陶磁器デザイン部門)
【金賞作品】作品名:AMU (部門:陶磁器デザイン部門) 作者:secca inc. 在住国:日本(国籍:日本)
◆10/19(土)には、オープンニング記念事業「清川廣樹氏による金継ぎイベント」を開催
〇 金継ぎ作品展示・相談会
清川廣樹氏および平安堂のメンバーによる金継ぎの作品展示・相談会を行います。割れたり欠けたりした器の修復についての相談会も開催します。
・開催時間:10月19日(土)及び20日(日) 10:00~16:00
清川廣樹氏プロフィール
漆芸修復師 清川廣樹氏
漆芸修復師 江戸時代に確立された伝統技術の継承者として、漆を使った「漆美術修復家」として50年活動を続ける。
文化財、寺社仏閣、仏像、陶磁器、漆器、骨董品など多岐にわたり、学者からも高い信頼を得ており、伝統工法を広く紹介することを目的に京都と東京で金継ぎ教室を主宰。職人として長年培った鋭い五感と経験、天然素材のみを使用した卓越した技術に定評がある。
◆ 各会場では、地元ゆかりの陶磁器を紹介する展覧会を開催
セラミックパークMINO展示ホールでの「第13回 国際陶磁器展」のほか6か所で、展覧会が開催されます。
各会場では、人間国宝荒川豊蔵の作品展など、岐阜県を代表する陶磁器を鑑賞できます。
◇ 生誕130年 荒川豊蔵展
Arakawa Toyozo 《Fresh-water jar, Shino type》
1938‒41 Museum of Modern Ceramic Art, Gifu
近代日本の陶芸をリードした、岐阜県多治見市出身の荒川豊蔵(1894–1985)の人となりを振り返る展覧会です。
桃山時代の志野が美濃で焼かれていたことを、自ら発見した陶片により実証し、そして「志野」と「瀬戸黒」の二つの重要無形文化財の保持者(人間国宝)となった荒川は、現代に続く美濃陶芸の先駆者でした。
陶芸をはじめ書画や収集の品々のほか、交友や暮らしぶりをうかがう資料などで、その制作姿勢やまなざしを紹介します。
会 期:9月14日(土)~11月17日(日) 10:00~18:00 ※入館は17:30まで
※休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日、ただしフェスティバル開催期間中は無休)
会 場:岐阜県現代陶芸美術館(多治見市東町4-2-5 セラミックパークMINO内)
観覧料:一般 1,000円、大学生 800円、高校生以下及び障がい者手帳提示者と付き添い1名は無料
※ 前売券 一般 800円 大学生 600円 (岐阜県現代陶芸美術館受付にて販売)
問い合せ先:岐阜県現代陶芸美術館 TEL0572-28-3100
◇『没後40年 陶磁器デザイナー日根野作三 -人をつなぐデザイン 美濃の足跡-』展
陶磁器デザインの先駆者として知られる日根野作三(1907–1984)を紹介します。
日根野は戦後日本の陶磁器業界において美濃をはじめ、愛知・三重・滋賀などを巡り、デザインの普及と教育に貢献した人物です。本展では作品資料から日根野作三の生涯をたどり、没後40年を迎える日根野作三の活動を再考します。
会 期:9月7日(土)~2025年1月26日(日) 9:00~17:00 ※入館は16:30まで
※休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)
会 場:多治見市美濃焼ミュージアム(多治見市東町1-9-27)
観覧料:大人 320円、大学生 210円
高校生以下及び障がい者手帳提示者と付き添い1名は無料
問い合せ先:多治見市美濃焼ミュージアム TEL0572-23-1191
◇ 青の誘惑-タイルにみる青の世界-
「青」という色の視点からタイルの魅力を伝える展覧会です。人間の傍らにあり続けてきた「青」色は、時代や場所を問わず普遍的な価値をもっています。
本展では収蔵している青色タイルを年代順に辿り、山内逸三氏の「青」にもスポットを当てます。そして20社を超える企業に呼びかけ、各社が誇る青色タイルを茶室をイメージしたホワイトキューブのなかにあしらい、現代タイルにおける「青」の新たな可能性を提示します。
Majolica Tile(Kinyo Yamauchi Ceramic Tile) around1930 MOSAIC TILE MUSEUM Tajimi
会 期:9月14日(土)~2025年3月9日(日) 9:00~17:00 ※入館は16:30まで
※休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)
会 場:多治見市モザイクタイルミュージアム(多治見市笠原町2082-5)
観覧料:一般 310円(常設展観覧料でご覧いただけます)
高校生以下、及び、障がい者手帳提示者と付き添い1名は無料
問い合せ先:多治見市モザイクミュージアム TEL0572-43-5101
◇ 瑞浪市制70周年記念 特別展 美濃近代窯業の開拓者 曽根磁叟園製陶所
曽根磁叟園製陶所は、文久元年(1861)に現・瑞浪市陶町猿爪で創業した陶磁器メーカーです。大正時代から昭和時代初期には原料採掘やタイル製造なども行って美濃の窯業会を牽引し、戦後には日本を代表する洋食器メーカーへと成長しました。
本展では、曽根磁叟園製陶所が明治時代から平成時代に生産した洋食器等を展示するとともに、展示品や社史等を掲載した図録を刊行します。
会 期:10月12日(土)~2025年2月23日(日) 9:00~17:00 ※入館は16:30まで
※休館日:月曜日、祝日の翌日等、資料整理休館日(詳細はHPにてご確認ください)
会 場:瑞浪市陶磁資料館(瑞浪市明世町山野内1-6)
観覧料:一般 200円 ※11/3(日・祝)はどなたでも無料
高校生以下、及び。障がい者手帳等提示者と付き添い1名は無料
問い合せ先:瑞浪市陶磁器資料館 TEL0572-67-2506
◇ 土岐市美濃陶磁歴史館 館外展示『ポスト織部の時代』
安土桃山時代から江戸時代初頭の美濃窯では、畿内での茶の湯の流行を受け黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部といった美濃桃山茶陶が生産され、その後、織部に代わり「御深井」と呼ばれる中国の青磁を意識した焼物を生産するようになります。
御深井の生産が始まった元和年間(1615–1624)は、徳川幕府が安定を迎えた時代で且つ、天下一の茶人が古田織部から小堀遠州へと受け継がれた時代です。本展では御深井の特徴と生産の意味について考えます。
Tea bowl, Ofuke glaze Early17th century Kamagane kiln
会 期:10月5日(土)~2025年1月26日(日) 9:00~16:30
※休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は開館し火・水曜日は休み)、祝祭日の翌日、年末年始
会 場:土岐市美濃焼伝統産業会館(土岐市泉町久尻1429-8)
観覧料:無料
問い合せ先:土岐市美濃焼伝統産業会館 TEL0572-55-5527
◇ 荒川豊蔵生誕130周年記念 特別展 豊蔵の志野・瀬戸黒 ~美濃桃山陶への挑み~
令和6年、荒川豊蔵の生誕130年を迎えます。本展ではこれを記念し、豊蔵が人間国宝認定を受けた「志野」「瀬戸黒」に着目します。美濃焼という産地の認定ではなく、個々のやきものでの認定は、技法の特殊性が反映されています。
今回、その技の紹介とともに、豊蔵の桃山陶再現から独自の表現を展開していった過程をみながら、年代ごとの作品を展示します。桃山陶とは一味違う豊蔵作品をご堪能ください。 ※ 同時展示:夫婦の絆展。
Tea bowl, called “Yadonoume(Plum blossoms at the inn),”
Mino ware,Shino type Arakawa Toyozō 1970
会 期:10月4日(金)~12月1日(日) 9:00~16:00
※休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)
会 場:荒川豊蔵資料館 (可児市久々利柿下入会352番地)
観覧料:一般 210円
高校生以下及び障がい者手帳等提示者と付き添い1名は無料
問い合せ先:荒川豊蔵資料館 TEL0574-62-1461
鎹八咫烏 記
石川県 いしかわ観光特使
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(敬称略)
紅山子(こうざんし)
※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。
アーカイブ リンク記事をご覧ください。
「世界最大級の陶磁器の祭典 国際陶磁器フェスティバル美濃2017」
開催のご案内
日本を代表する陶産地‘美濃’で開催されるトリエンナーレ。 国際規模の陶磁器コンペティション 『 国際陶磁器展美濃 』 を中心に、 陶磁器の産業と文化に寄与する様々な事業が展開される 「世界最大級の陶磁器の祭典」 です。 ‘美濃’を舞台に、全国、そして世界へ広がる一大プロジェクトです。
It is a triennale held at ‘Mino’, the major production area of ceramics in Japan. This is one of the world biggest ceramic festivals that features various events that contribute to further development of ceramic industry and culture, such as world-class ceramic competition,
"International Ceramics Competition, Mino Japan" and many more. It is a big project that happens in Mino and spreads nationwide to worldwide.
国際陶磁器フェスティバル美濃とは
土と炎の国際交流 From You, From Now, From Here.
国際陶磁器フェスティバル美濃は、陶磁器のデザイン・文化の国際的な交流を通じて、更なる陶磁器産業の発展と文化の高揚を目的として「土と炎の国際交流」をテーマに、1986年に第1回を開催しました。
以降、3年に1度開催されるトリエンナーレとして継続的に開催し、2017年の開催で第11回を迎えます。
本催事のメインイベントである"国際陶磁器展美濃"は、前回(第10回)の開催時には、世界60の国と地域から1,247名、2,579点にのぼる出品があり、国際的にも認知された世界最大級の国際陶磁器コンペティションとして、入賞・入選作品がメイン会場であるセラミックパークMINOに一堂に展示されます。
また、その他にも地元陶磁器業界及び多治見市・瑞浪市・土岐市の美濃陶産地に密着した事業を多数企画し、多くの来場者の皆様に美濃の風土や歴史、魅力を存分に楽しんで頂き、地域全体の発展につながることを期待し開催するものです。
What is the International Ceramics Festival MINO?
Since the first festival in 1986, the International Ceramics Festival Mino has been held with the aim of supporting the growth of the ceramics industry and the enhancement of culture through the global exchange of ceramics design and culture with its theme of "International exchange of soil and flame -From You, From Now, From Here. The festival has been constantly held every three years as a triennale, and this will be the 11th such event.
"The International Ceramics Competition Mino, Japan" is the main event of the festival. In the last competition in 2014 we had an amazing 2,579 entries from 1,247 applicants coming from 60 countries and areas around the world. This event is an internationally recognized world-class ceramic competition and all selected excellent works will be exhibited at Ceramic Park MINO.
Furthermore, a wide variety of attractive events of the ceramic industries of Tajimi city, Mizunami city and Toki city will offer the chance to come in contact with the appeal of the cultural climate and the historical treasure of Mino region as well as contribute to the development of the local region.
(詳細は下記のURLよりご覧ください。)
ZIPANG TOKIO 2020「世界最大級の陶磁器の祭典 国際陶磁器フェスティバル美濃2017 『秋篠宮眞子 内親王殿下』が名誉総裁」
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/2488634
モ ザイクタイルミュージアムの みどころ
建築家、藤森照信の設計・デザインによる多治見市モザイクタイル ミュージアム
みどころ
❶懐かしい昭和の国産タイルと、その膨大なコレクションを見学できる
笠原町の有志が20年近くにわたって集めてきた、モザイクタイルの製品、サンプル台紙をはじめ、道具類や貴重な 建造物の壁面の断片まで、1万を超える資料が収蔵されます。地元を中心とする国内のタイルの歴史を振り返る常設 展示に加え、多彩な企画展示でタイルの魅力を伝えます。
❷世界的建築家、藤森照信の設計・デザインによる「スゴイ公共建築(GA Japan Vol.131、2014より)」
建築史家であり、建築家としても従来の常識を超えるユニークな作品を発表し世界的に評価される藤森照信が、自 分でも気に入ったという不思議なかたちのミュージアムは、建築ファンも必見。建築の完成までに参加可能なワーク ショップも計画しています。
❸地元のタイル工場との連携で生産地ならではの様々な企画と情報の集積と提供
日本最大のモザイクタイル生産地である多治見市笠原町には、人口1万ほどの小さな町ながら、最盛期には100を 超えるタイルの工場が存在しました。現在でも業界における全国トップシェアを誇っています。分業体制のもと様々 な得意分野をいかして活動する工場、その生産者と一緒になって市民の生活や趣味に活かすことのできる様々な企画を実現。みんなのためになるミュージア ム。
国際陶磁器フェスティバル美濃′24
名誉総裁の秋篠宮 佳子様もモザイクタイルの煌めく美しさに感動されたそうですよ!
(詳細は下記のURLよりご覧ください。)
ZIPANG TOKIO 2020「な ぜ か 、ふしぎ 、おとなも、こどもも、たのしくなる 。いつまでも、そこに、いるだけで。多治見市モザイクタイル ミュージアム」
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/2493089
多治見 虎渓山 永保寺 夢窓国師作庭『永保寺庭園』
紅葉に彩られた 史跡名勝天然記念物『永保寺庭園』無際橋と国宝『永保寺開山堂』
周辺の自然風景を借景に造られた庭園で、夢窓国師の作庭と伝えられる。国の名勝「永保寺庭園 無際橋」「永保寺庭園 梵音巌」舟遊、回遊、鶴亀の蓬莱と多彩な形式をもちい、自然の地形を見事に活かしている。巨大な岩盤から流れ落ちる滝は、仏の声を聞くとして「梵音巌」と名付けられている。清々しく爽やかで秋の紅葉は見事であり、冬の景色もまた別格である。
虎渓山略縁起
山号は虎渓山。
虎渓の名称は景色が中国廬山の虎渓に似ていることによるといわれています。
1313年(正和2年)土岐氏の招きをうけた夢窓疎石が長瀬山の幽境に庵居しこの禅寺を開創されましたが、 1317年(文保1年)夢窓は同門の元翁本元(仏徳禅師)に寺の後事を託して上京されました。
1335年(建武2年)夢窓が臨川寺(京都)開山となられたとき、永保寺開山は元翁本元に改められました。
元翁の寂年は1331年(元弘1年)で、開山となられた時にはすでに遷化されていましたが、 元翁の塔所である南禅寺正的庵末寺の五山派寺院として展開しました。
しかし文明期以後には衰微しましたが、江戸時代の1746年(延享3年)には末寺28ケ寺、孫末寺1ケ寺を有し、 山内塔頭(たっちゅう)の輪番によって住持をつとめ護持されてきました。
現存する開山堂と観音堂は国宝に指定され、 両堂には南北朝期から室町初期における歴代住持や檀那の位牌が納められ、開山堂には元翁本元と夢窓疎石の木像が安置されています。
絹本着色千手観音像(重要文化財)のほか、夢窓や元翁の墨跡など数多くの文化財を所蔵し、 観音堂前の庭園は臥竜池と称する池に反り橋の無際橋がかかり、浄土教的庭園の様式を感じさせる名庭で、 国の名勝に指定され、建築・庭園・墨跡など禅の美術で注目される禅寺です。
また近世末期には白隠慧鶴の一系に属する春応禅悦(霊機神応禅師)により僧堂が開かれ、 雲水が禅の修行に励む臨済宗南禅寺派の専門道場(虎渓僧堂)を併設しています。
史跡名勝天然記念物『永保寺庭園』
永保寺の仏殿にあたる中心建築観音堂(水月場と称する)の南面にひろがる池を主体とした庭園であって、正和3年(1314)無窓疎石が開創のあと、観音堂(古くは観音閣)の建立に伴う寺域の整備に際して築造されたものと認められる。
観音堂の西に接してそばたつ岩山(梵音巌)から岩壁づたいに瀑をかけ、その真下に地形に応じて池を設け、2島を置く。堂の正面、その中軸線上に虹形の亭橋(無際橋と名づけられる)を架け、池を二分する。これらの境域は、その北と西とを長瀬山の丘陵に囲まれ、東と南とは土岐川の曲流に接しており、それ自体景観のすぐれた自然地形をもっている。
西の山腹にある座禅石の地点からは庭園一帯の風光を[[一眸]いちぼう]のうちに[[俯瞰]ふかん]することができる。
夢窓国師年譜にも「山水ノ景物ハ天図画ヲ開クノ幽致ナリ師ノ意甚ダ適ス」と記されている。
これは、疎石の実甥で幼年のとき疎石をこの虎溪山の地に訪ねたことのある春屋妙葩(普明国師)の記述したものであり、疎石がこの景勝地を愛して庵居した事実を裏書きしているが、現在もその通りの境致を残している。
石組や護岸などの作庭細部の技法には見るべきものはないし、また後世の改変の跡も認められはするが、わが国中世庭園文化史のうえで最も代表的な作庭家夢窓疎石の作風をよく伝えるものであり、特に当時の建物(国宝観音堂ならびに開山堂)とあわせ残されているものは当永保寺のみである。
自然美を尊重し、これを利用して作られた室町時代禅宗寺院の庭園の代表的なものである。
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