環境省ローカルSDGsとは
⚫地域循環共生圏(2018年、閣議決定)とは、地域資源を活用して環境・経済・社会を良くしていく事業(ローカルSDGs事業)を生み出し続けることで地域課題を解決し続け、自立した地域をつくるとともに、地域の個性を活かして地域同士が支え合うネットワークを形成する「自立・分散型社会」を示す考え方。
⚫その際、私たちの暮らしが、森里川海のつながりからもたらされる自然資源を含めて地上資源を主体として成り立つようにしていくために、これらの資源を持続可能な形で活用し、自然資本を維持・回復・充実していくことが前提となる。
⚫地域循環共生圏は、第六次環境基本計画(2024年5月閣議決定)において、同計画の中心概念である「ウェルビーイング/高い生活の質」の実現に向けた「新たな成長」の実践・実装の場として位置づけられた。
東京里山開拓団とは
大都会・東京にも産業や生活のなかで使われなくなって荒れたままの山林、誰も住まなくなった空き家が沢山あります。一方で、都市社会のひずみのなかで家庭に居場所をもてない子どもたちが大勢います。そんな両者をつなぐことができれば環境保全と児童福祉を一石二鳥で進められるのでは――と思いたったところからこの活動は始まりました。
私たちは、普段はごく普通の市民として気ぜわしい東京で暮らしていますが、時間と心の余裕を見出しながら、児童養護施設等の子どもたちとともに東京都八王子市美山町の荒れた山林、ふもとの空き家に通って自らの手で再生しふるさとを創り上げるボランティアを推進しています。
また、都心の空き家を活用した児童養護施設退所者の自立応援の家づくり、里山を活用した研修・会議支援事業、本の里山を紹介するサイト運営などにもチャレンジしています。
目指すところ
東京里山開拓団は、荒れた山林や空き家などの埋もれていた資源の活用、ボランティア&開拓者精神の発揮により、児童養護施設の子どもたちとともに自らふるさとを創り出し、同時に社会課題さえ楽しみながら克服して、真に心豊かな社会の実現を目指します。
取り組み紹介
■児童養護施設との里山開拓
手づくりのロープブリッジでアスレチック。子供たちは何時しかバランス感覚を養う・・・
焚火料理づくり、焼き芋や運の良い時にはアユやアマゴなど川魚も・・・⁉
3つの児童養護施設から子どもたち・職員、東京里山開拓団会員(合計15~20名)がほぼ毎月1回八王子市美山町の荒れた山林に通う。
山道や広場の整備、トイレ、かまど、アスレチック、ツリーハウスの制作、四季の自然を生かしたイベント、焚火料理づくり、自由時間など。
かつて望むべくもなかった「ふるさと」を自らの手で創り上げようと奮闘中。
■児童養護施設との交流
◇里山スライド上映会(年1回):過去の里山開拓写真を、たくさんの子どもたち、職員の前で上映。
◇施設職員との里山研修合宿(年1、2回):職員、会員の参加する里山現場研修。
子どもたちにとっての里山開拓の意義について理解を深め、内容や進め方の改善を検討。
◇学生支部による施設訪問(月2回):直接施設訪問を行い、子どもたちとの遊びやおしゃべりを通じて日常生活面での心のケアと里山への動機づけを推進。
■さらなる活動展開に向けた活動
◇企業向け里山研修事業:上記活動費を捻出するための自主事業。寄付や助成に頼ら
ない運営、施設退所者の雇用による自立支援も推進。
◇全国の里山紹介サイト「日本ノ里山ヲ鳥瞰スル」運営:垂れ流されている里山関連
ニュースを地図上に集約することで身近な里山を探せるサイトとして運営。現在約1000件と全国最多、唯一無二の存在。将来は荒れた山林を発掘・活用促進する情報基盤を目指す。
◇広報活動:大学などで講演、新聞・雑誌の取材対応、活動報告会・説明会の開催など。
活動紹介 児童養護施設のふるさとの山づくり:『里山開拓』
山林の確保とグランドデザイン
里山のグランドデザイン(2009年)
誰も入らない荒れた山林といえども所有者はいますので、勝手に木を切ったり工作物を作ったりすることはできません。ただ、荒れた山林に関わろうとするときの最大の壁は不在地主化や未登記などによって所有者にたどり着くことができないところです・・・
私たちの通う山林は、元々代表の堀崎の親類がもっていた(もてあましていた)ところでした。2006年頃から堀崎が個人として許可を得て足しげく通うようになり、その後堀崎が譲り受けています。現在は代表個人より当団体が本活動のために借り受けて活用している形になります。
そして、荒れた山林を何のためにどのように開拓していくのかというグランドデザインについては、あれこれ深く考えた末に、「大人も児童養護施設の子どもたちも一緒になって」「自然の恵みをフルに活用し」「開拓者精神を発揮して」「困難さえ楽しみながら試行錯誤して」「ふるさとを自ら創り上げる」ことにしました。
この里山のあり方について他の誰かに正解を求めても得られるものではなく、私たち自身が自ら自然と深く関わりながら価値あるものを探し求め楽しみながらずっと通い続けていった先にあるという洞察があってそうすることにしたのです。
里山開拓の進め方について
私たちの里山は八王子市美山町の集落の裏山です。高尾駅からバスで約20分でふもとに到着します。車なら八王子西ICより5分と都心から1時間余りでアクセスできます。ヒノキやスギの林を抜けて尾根伝いに約15分・標高差で100mほど登った雑木林の中に私たちの活動拠点があります(標高は342m)。
里山開拓の初期段階はまずは会員だけで通い続けて現地確認、ある程度の道や広場づくり、安全確保を行ってきました(私たちの場合は5年以上かけています)。
そして見通しが立ってきたら、児童養護施設側と調整します。私たちの場合、本活動の価値を理解いただける児童養護施設と最初に巡り合えるまで2年ほどかかってしまいましたが、その後は確実に実績と信用を積み重ねることで都内5つの児童養護施設にまで拡げることができました。
各回の里山開拓実施についていいますと、参加したい会員が中心となって、約1か月前から児童養護施設側との日程調整や参加者調整を開始します。1,2週間前から会員が中心となり、児童養護施設側の意向や状況を確認しながら、企画内容や役割分担、食材や備品等準備を進めます。
企画内容の中心は「午前企画」と「昼食企画」です。里山開拓を進める中で出てきた自然の恵みを生かし、みんなで協力していかに楽しみながらより心地よい空間や時間を作り上げていけるか腕と頭の見せ所です。
皆さんもまずお近くの里山から試されては如何でしょうか🌞
※地域循環共生圏とは
地域循環共生圏は日本が目指す持続可能な社会の姿です。
2018年、国の第5次環境基本計画で掲げられました。都市も地方も多くの課題が山積するなか、それぞれの地域が主体的に「自ら課題を解決し続け」、得意な分野でお互いに支えあうネットワークを形成していくことで、地域も国全体も持続可能にしていく「自立・分散型社会」です。
地域で環境・社会・経済の課題を同時解決する事業を生み出していくことから
「ローカルSDGs」とも呼ばれています。
代表からのご挨拶
アウトドア好きが高じて手つかずの自然を探し求めていたら、意外にも足元のようなところに何十年も人が入っていない荒れた山林があることに気づきました。2006年のことです。
それからは地主の了解を得て荒れた山林に分け入って一人夢中になって道や広場を伐り拓きました。地道という言葉の通りの作業です。個人的にベンチャー経営の行き詰まりもあって気晴らしにという気持ちも当初はあったのですが、次第に額に汗して自然と深くとかかわる開拓そのものの魅力にどんどん引き込まれていきました。
やがて家族や友人知人も呼ぶと、子どもから大人まで年齢を問わず満面の笑顔で楽しんでまた来たいといいます。それならもっと社会に貢献できる活用ができるのではと考えて、2009年に東京里山開拓団を立ち上げることにしました。
その後、私たちは試行錯誤した結果、メインの活動として「児童養護施設との里山開拓」に取り組むことにしました。この活動は、環境保全と社会福祉に一石二鳥で取り組む前例のない取り組みであり、自然とボランティアのチカラを活用してコストをかけずに最大の効果を生み出す私の社会福祉の理想形でもあります。
これからも里山を心から楽しみながら、いろんな方々とのご縁をいただいて活動を継続・拡大できればと思っています。ご関心をいただけますようでしたら遠慮なくお問い合わせいただけますと幸いです。
お問い合わせ
NPO法人 東京里山開拓団 事務局
mail:kaitaku-jimu@googlegroups.com
NPO法人 東京里山開拓団
代表 堀崎 茂
プロフィール
1971年愛知県生まれ、東京都世田谷区在住でDIY好きの2児の父。経営コンサル会社、ベンチャー企業、システム会社、IR支援会社勤務などを経て、現在NPOの運営に注力。フリーの経営コンサルタント(社会課題起点の事業開発支援等)、マインドフルネス講師(一般社団法人日本マインドフルリーダーシップ協会の事務局)も担う。自らを実験台として、本当に心豊かな暮らしや社会がどうしたら実現できるか試行中。趣味は焚火、家づくりDIY、動物写真撮影。
所在地:東京都世田谷区
活動地:東京都八王子市美山町の山林(代表所有)、ふもとの古民家(当団体借用)
鎹八咫烏 記
石川県 いしかわ観光特使
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(順不同・敬称略)
環境省
NPO法人 東京里山開拓団
紅山子(こうざんし)
※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。
アーカイブ リンク記事をご覧ください。
環境省「つなげよう、支えよう森里川海プロジェクト」
1.環境省「つなげよう、支えよう森里川海プロジェクト」では、森・里・川・海を保全・再生してつなげ、支えることを通じて地域循環共生圏の実現を図るべく、普及啓発活動を行っています。
2.今回、全国規模の信用金庫のネットワーク「よい仕事おこしフェア実行委員会」が開催する「よい仕事おこしフェア」等において、森里川海プロジェクトと連携することとし、協定を締結します。
3.本協定では、森里川海プロジェクトの普及啓発や、SDGs、地域循環共生圏に配慮した事業活動への投融資等について、連携して推進することとしています。
つなげよう、支えよう森里川海プロジェクト
優良事例ご紹介~千曲市~
「日本の原風景である棚田の景観を継承していく」
~おもかげや 姨ひとりなく 月の友~ 松尾芭蕉
実施体制
千曲市、千曲市棚田保全推進会議、立正大学、屋代高等学校附属中学校、更級小学校、
八幡小学校等地元の小学生
都市と農村との交流を図りつつ棚田の耕作を継続することにより、棚田の景観を保全し、
後世へと継承する。
姨捨の棚田は「蓑(みの)・菅笠(すげがさ)の下に隠れる」と例えられる小さな田が、
斜面を埋めているのが特徴の一つ。
大きさも形もまちまちな田の集合が立体的な棚田の綺麗な広がりを作り出している。
0コメント