公益財団法人岡本太郎記念現代芸術振興財団 岡本太郎記念館(所在地:東京都港区南青山6-1-19、館長:平野 暁臣)は、岡本太郎の遺志を継ぎ、次代のアーティストを顕彰する岡本太郎現代芸術賞(通称TARO賞)にて、太郎賞1名、敏子賞1名、特別賞1名が決定し、2025年2月22日(土)に受賞者発表と授賞式をとりおこないました。
今年で28回をむかえる本賞には579点の応募があり、24名が入選いたしました。
また、入賞者・入選者の作品を集めた「第28回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」展を2月23日(日)から4月13日(日)まで、川崎市岡本太郎美術館にて開催いたします。
次代のアーティストの意欲的な作品をぜひご覧ください。
岡本太郎賞(賞金200万円):仲村 浩一(なかむら ひろかず)『房総半島勝景奇覧/千葉海岸線砂旅行』
仲村 浩一『房総半島勝景奇覧/千葉海岸線砂旅行』
【審査評】
本作の勝因は、「千葉県」という「月並」と言えばあまりに月並な主題を、作者が生まれ育った故郷であったということだけに発し、4年を費やして同県の海岸線をぐるりと10歩ごとに分けて足元の砂を採取して踏破し、それをもとに「尋常でない」一大パノラマに仕立ててみせたことにある。
このことを通じて「千葉県」は、砂による抽象と具象に分岐し、なおかつ同一のものであるという奇妙な二重性を獲得している。「千葉県」が他に類を見ないやり方で芸術へと昇華されたのだ。(椹木野衣)
岡本敏子賞(賞金100万円):齋藤 玄輔(さいとう げんすけ)『語り合う相手としての自然』
齋藤 玄輔『語り合う相手としての自然』
【審査評】
まず、カーボン紙のブルーの色に目を奪われる。一見遠くから見るとデザイン的なイメージかと思い、近づいてみるとその儚さと繊細さに衝撃を受ける。裏からの強いLEDライトもカタチを崩した植物のラインを強調している。ベースフォルムを福島第一原子力発電所建屋から成っている点、収集された植物が帰宅困難地域で被爆しただろう植物という点に心を打たれた。(和多利浩一)
特別賞(賞金50万円):井下 紗希(いした さき)『森を歩くこと。』
井下 紗希『森を歩くこと。』
【審査評】
ユリ、ヒマワリ、アロエなどなど、巨大化した植物が画面を埋め尽くす。作者は、「森を歩くとき、感覚は研ぎ澄まされる。そこに息づくものの中に見えるものは、自身の絶望、葛藤、もがき、焦燥、畏怖、そして圧倒的な生命力。」だと言う。暗褐色の画面は、たしかに絶望や葛藤を暗示する。だが、パワフルな花々からは「圧倒的な生命力」を感じさせる。屋久島への旅をきっかけに日本各地を訪ね歩いた作者は、集大成として「絵画の森」をつくりあげたのである。(山下裕二)
■入選作家・作品名(50音順・敬称略)
・IWACO『Funky Dragon with Us』
・大岩 美葉『春の気立つを以って也』
・神村 あづさ『静かにそこにいるだけ』
・木原 健志郎『Actors』
・黒田 恵枝『Story of You』
・斎藤 翼『カメは君のそばに』
・陳 昱如『裏返った眼から』
・土田 祐加『ぬちぐすい』
・どばしほのか『生えてきたつくりごと』
・西野 萌黄『六道輪廻 地獄道』
・英 ゆう『嵐のあとの庭で子を導こうとする母親の歩みと生命の循環の煌めき、または様々な次元の交感が巡るところ』
・濱本 菜花『苦しみの先へゆけ』
・前田 明日美『ささやきの棲処』
・増田 充高『HEART BEAT -knuckle head-』
・丸山 千香子『顔が産みだす顔』
・武藤 攝『華の舞』
・毛利 華子『わたしたちの浴室』
・望月 章司『家族』
・矢成 光生『戦争と平和の印象画』
・山下 茜里『Long for the Light』
・山田 歩『macrocosmos-microcosmos』
《第28回岡本太郎現代芸術賞 概要》
■主催
公益財団法人岡本太郎記念現代芸術振興財団
川崎市岡本太郎美術館
■審査員(50音順・敬称略)
・椹木野衣/美術批評家、多摩美術大学教授
・土方明司/川崎市岡本太郎美術館館長
・平野暁臣/空間メディアプロデューサー、岡本太郎記念館館長
・山下裕二/美術史家、明治学院大学教授
・和多利浩一/ワタリウム美術館キュレーター
《第28回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)展 概要》
会期 :2025年2月23日(日)〜4月13日(日)
会場 :川崎市岡本太郎美術館・企画展示室
開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)
休館日 :月曜日(2025年2月24日、3月24日、3月31日、4月7日を除く)、
2月25日(火)、3月11日(火)、3月12日(水)、3月21日(金)
ほか臨時休館あり
観覧料 :一般 700(560)円、
高・大学生、65歳以上 500(400)円
中学生以下は無料 ※( )内は20名以上の団体料金
交通 :小田急線「向ヶ丘遊園駅」南口より徒歩17分
関連情報
岡本太郎記念館、企画展「《予感》とその時代」を2月27日より開催
四半世紀ぶりに青山に里帰りした《予感》(1963)を初公開
公益財団法人岡本太郎記念現代芸術振興財団 岡本太郎記念館(所在地:東京都港区南青山6-1-19、館長:平野 暁臣)は、企画展「《予感》とその時代」を2025年2月27日から2025年6月29日まで開催いたします。
芸術は呪術だ
芸術は呪術である。岡本太郎がそう言ったのは1960年代半ばのことでした。
時をおなじくして、太郎の作風は大きく変わります。色とりどりの原色がキャンバスいっぱいに広がり、繊細な筆致でぎっしりとキャラクターを描き込んでいた50年代とは打って変わって、どこか梵字にも似た黒々と抽象的なモチーフが画面を支配するようになったのです。《森の掟》(1950)に代表される絵本のような明るい物語性は影を潜め、暗く不気味な“御神札”のような世界に変貌します。
発端はおそらく縄文との出会いでしょう。自然と闘い、自然と溶けあいながら生きた縄文人たちの自由と尊厳を観取した太郎は、それこそが“ほんとうの日本”なのだと直観します。さらにその思いは、1957年から60年代半ばにかけて日本各地を取材したことで確信に変わりました。東北で原始日本の片影に触れ、沖縄でその心が脈々と受け継がれている姿を目の当たりにして、“見えないもの”と交信する呪術の気配を感知したからです。
本展では、四半世紀ぶりに青山に里帰りした《予感》(1963)を初公開するとともに、黒のモチーフが横溢する“60年代のTARO”を俯瞰します。呪術としての芸術をどうぞご体感ください。
岡本太郎記念館館長 平野暁臣
岡本太郎 作品
岡本太郎 作品
■企画展「《予感》とその時代」概要
会期 : 2025年2月27日(木)~6月29日(日)
開館時間 : 10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館 : 火曜日(4月29日、5月6日を除く)
会場 : 岡本太郎記念館(東京都港区南青山6-1-19)
アクセス : 銀座線・千代田線・半蔵門線『表参道』駅より徒歩8分
入場料 : 一般 650円/小学生 300円
鎹八咫烏 記
石川県 いしかわ観光特使
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(敬称略)
紅山子(こうざんし)
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アーカイブ リンク記事をご覧ください。
「岐阜とフィレンツェ 姉妹都市提携40周年記念講演会『ルネサンスの街・フィレンツェで生きる人々の誇りと暮らし』(前編)」
【主催】岐阜インテリアコーディネータークラブ 【共催】(公社)インテリア産業協会中部支部 【後援】岐阜市
岐阜大仏(正法寺)
日本三大仏の一つに数えられるこの大仏は乾漆仏としては日本一の大きさを誇ります。天保3年4月(1832年)に、実に38年の歳月を費やして完成しました。堂の高さ25.15m、廻り19.39m、仏像は坐像で、高さ13.7m、耳の長さ2.1m、鼻の高さ0.4m。
大イチョウを直柱として、骨格は木材で組み外部は良質の竹材と粘土で造られ、その上を一切経で糊張りし漆を塗り金箔を置いたものです。
胎内には薬師如来がまつられています。私たちに微笑みかけられているようなそのやさしい表情と荘厳さ、そして静寂な大仏殿の中はまさに癒しの空間です。
ルネサンスでいきなり大仏様のご登場なので驚かれたかも知れません。しかし、この大仏様こそが匠の技を、随所に活かしたフィレンツェの芸術家に引けを取らない見事なものなのです。
実は今年岐阜市は、フィレンツェとの姉妹都市提携40周年になります。そこで今回は昭和53年より携わっておりましたインテリアコーディネーターにスポットを当て、姉妹都市提携40周年記念講演会と岐阜市について、前編・後編の2回に分けて紹介いたします。
まず本日の前編は、フィレンツェと岐阜市について、更に今回のメイン、記念講演会のご案内です。明日の後編では、木の中に生まれ木の中で育った者にとって(まるで日本昔ばなしのようなフレーズになってきましたが?)記念講演会が木を活かした建築デザインの会場で行われるので、いつかご紹介したいと思っていたその会場と、岐阜市内の見どころを(生まれただけで直ぐに県外に移転、それでも岐阜県は生まれ故郷なので、ⅮNAはしっかりと埋め込まれている筈?)岐阜市の皆さんに助けていただき、張り切ってご紹介できるよう頑張ります!
岐阜インテリアコーディネータークラブ創立20周年。伊藤初代会長と皆様のご苦労が実を結び、本当におめでとうございます。
(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)
ZIPANG TOKIO 2020「岐阜とフィレンツェ 姉妹都市提携40周年記念講演会『ルネサンスの街・フィレンツェで生きる人々の誇りと暮らし』(前編)」
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/3527439
岡本太郎画伯もきっと驚く
『みんなの森 ぎふメディアコスモス』(後編)
金華山や長良川に呼応する 文化の森 をつくります
みんなの森 ぎふメディアコスモス
みんなの森 ぎふメディアコスモスは、「知の拠点」の役割を担う市立中央図書館、「絆の拠点」となる市民活動交流センター、多文化交流プラザ及び「文化の拠点」となる展示ギャラリー等からなる複合施設です。
施設の理念
「根から知を 枝葉でふれあい花さかせ 明日への種を創り育む」
多くの人に役立つ知識にあふれ 様々な活動を通じた人と人との交流を生み出し 地域の文化とより良い地域社会の創造につながる 都市の未来を築く礎となることを目指します。
せせらぎの並木 テニテオ
みんなの森を象徴する美しい並木道です。
カツラを4列に配し、道路側には常緑広葉樹、建築側には四季折々の野草や樹木を植え、
合計6列からなる 開放的な歩行空間となっています。
カオカオに面する場所には、象徴的樹木としてヒトツバタゴを配しています。
並木の間には、散策のための小径やせせらぎがあり、自然豊かで落ち着きのある森の並木道です。
並木道の名称について、平成25年8月8日から9月13日にかけて募集をしたところ、市民の皆さまをはじめ 全国539人から920点の作品が寄せられました。その中から選考したものを組み合わせたもので、
・『せせらぎの並木』は、岐阜のイメージを表しつつ、安らぎを感じる場になってほしいとの想いを込めたこと。
・"手に手を取って"を元にした『テニテオ』は、発想が温かく、名称として覚えやすく印象も強いこと。 を理由に上記の名称を決定しました。
みんなの広場 カオカオ
みんなの森 ぎふメディアコスモスの南側には、市民の皆さんが様々な用途に使用できる広場をつくりました。
霧の泉(ミスト)を設け、イベントのない時には清涼感や水に親しむ空間を演出します。
また、「並木道」と一体的に活用し、大規模なイベントも開催できます。
ユニバーサルデザインを基本とし、人々が集う場所を至るところに設け、 施設全体が市民の皆さんでにぎわう広場となっています。
平成26年秋に名称の募集したところ、全国779名の方から1,187点もの作品をご応募いただきました。
この名称が選考された理由は、"にぎわい" をコンセプトとする広場に対し、 「人々が "顔" と "顔" を合わせ、にぎわいと共に人と人がつながる場になってほしい」 との作品に込められた想いによるものです。
施設概要
敷地面積 14,725.39 ㎡
建築面積 7,530.57 ㎡(本体棟+付属棟) 延床面積 15,444.23 ㎡(本体棟+付属棟)
建物高さ 16.09m
主な用途
中央図書館 市民活動交流センター(多文化交流プラザを含む) 展示ギャラリー、ホール
構 造 1 階・M2 階 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造) 2 階 鉄骨造、木造(梁)
階 数 地上2 階 地下1 階
設計期間 2011 年2 月~2012年3月
工事期間 2013 年7 月~2015年2月
設 計 株式会社 伊東豊雄建築設計事務所
施 工 建築主体工事 戸田・大日本・市川・ 雛屋
特定建設工事共同企業体 電気設備工事 内藤・山一
特定建設工事共同企業体 空調設備工事 朝日・ダイワ
特定建設工事共同企業体 衛生設備工事 安田・濃尾
特定建設工事共同企業体 太陽光発電設備工事 山一電気 株式会社
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