日本発酵文化協会について
日本人は昔から発酵食と共に暮らしてきました。季節に合わせて味噌や醤油、甘酒を仕込み旬の食材と共に楽しむ食生活を送ってきました。
床下に糠床があり、毎日かきまぜるという光景は珍しいものではありませんでした。
しかし、便利さを追求した現代社会では、食材の「旬」という言葉が消えつつあると共に、地域に根付いた伝統食文化までも消え去ろうとしています。
ここ数年、発酵や麹といった言葉はブームとなりました。しかし、これらは今になって降ってわいたものではなく、日本に昔からある伝統食文化なのです。
日本発酵文化協会では、この伝統食文化を一過性のブームとしてとらえるのではなくさらなる日本の地域活性化と繋げながら、現代の日本人の食生活をより良いものにするための一端を担いたいと発足致しました。
「発酵食品」の正しい知識を広めると共に、発酵食品との出会いをきっかけに皆様が自身の食生活や健康・美容を見直すきっかけとなれば、うれしく思います。
発酵について
発酵とは
私たちの生活の中で、発酵は食品・洗剤・薬などありとあらゆる場面で使われています。もっとも身近な発酵は、調味料などの味噌、醤油、みりん、日本酒、酢などの発酵食品ではないでしょうか。
毎日の朝食に和食を取り入れるならば味噌汁が必要でしょう。洋食ならばヨーグルトやチーズが食卓に並ぶかもしれません。これらも発酵からできています。
発酵食品とは、目に見えない微生物たちの働きによって醸し出される食品の事です。大豆から味噌・醤油・納豆などができます。お米からは日本酒やみりんや酢が作られ、ミルクからはチーズやヨーグルトが作られます。どれも人にとってとても美味しくて、栄養のある食品に変化しています。
その発酵から生まれた成分が美味しく、健康にもよく、食品の保存性も高まる為、私たち人間は古くから発酵食品を作り、摂取してきました。
発酵食品の歴史はとても古く、世界中に溢れているのです。
伝統製法 むしろ麹とは
~麹は、生き物として扱う~
むしろ麹(かめびし)
昔から醤油づくりにおいて言われてきた言葉で、 「一麹(こうじ)、二櫂(かい)、三火入れ」というものがあります。
醤油づくりにおいて、麹がもっとも重要とされるという意味です。
むしろ麹法の『むしろ』とは、 藁(わら)やイグサなどの草で編んだ敷物の事です。
むしろに麹を寝かせることで、水分が調節され、 麹はいつも適度な湿度で保たれます。
むしろで仕込んだ麹は機械で造った麹とは全く異なり、 生き生きとしています。
生き物として愛情をかけて育ててこそ、本来の持ち味が生まれます。
数字には表せないものの、機械には出せない味が確かにあります。
世界の発酵食品
シュールストレミング[スウェーデン]
塩漬けにしたニシンを缶の中で発酵させます。世界で一番臭い食べ物と言われています
ザワークラウト[ドイツ]
千切りにしたキャベツを塩漬けにしてから乳酸発酵させた漬け物です。ソーセージや様々な肉料理の付け合わせに使用されます。
アンチョビ[イタリア]
イワシを塩漬けにして発酵させた後、オリーブオイルなどと一緒に漬けこみます。
インジェラ[エチオピア]
テフという穀物を粉にして、水で溶いて発酵させたエチオピアの主食です。クレープに似た形をしており 焼いて肉や野菜などを包んで食べます。
メンマ[中国]
麻竹とよばれるタケノコを土の中で乳酸発酵させて作ります。
臭豆腐[香港]
納豆菌と酪酸菌によって発酵させた漬け汁に豆腐を漬け込んで作ります。独特の風味と強烈な匂いを発します。
ホンオフェ[韓国]
エイの身を壺に入れて発酵させた生食用の魚の発酵食品です。全羅南道(チョルラナムド)という地域では結婚式には欠かせない料理として食べられてきました。薄くスライスしてそのまま刺し身で食べたり、豚肉やサラダ菜などに包んで食べます。 強いアンモニア臭がして、世界で二番目に臭い食べものとして有名です。
ナム・プラー[タイ]
小魚を塩漬けにして発酵させた魚醤です。鰯や淡水にすんでいる魚を原料として半年から一年熟成させて作ります。
ナタデココ[フィリピン]
ココナッツの果汁に酢酸菌をまぜて発酵させた際にできるゲル状の物質です。
テンペ[インドネシア]
大豆をクモノスカビで発酵させます。大豆発酵食品であることから「インドネシアの納豆」として有名です。
キビヤック[カナダ北部]
海鳥をアザラシのお腹の中に詰め込んで、土の中で2~3年発酵させます。野菜のとれない寒い地方でビタミンなどの貴重な補給源として食べられてきた食品です。
ベジマイト[オーストラリア]
塩辛い茶色のペーストで、麦芽を発酵させて作ります。パンなどにぬって食べられます。
日本の発酵食品
日本は気温、湿度などの発酵に適した気候に恵まれ、世界でも有数の発酵大国です。日本の発酵食品の特徴は「麹」を用いた発酵です。
麹とは、蒸した米・麦・大豆などの穀物に麹菌という微生物を繁殖させた加工品です。
味噌、醤油、酒、酢、みりんなど、麹によって日本の味ができているといっても過言ではありません。
日本各地には、麹を使った伝統的な発酵食品が多数存在します。
その他、納豆や漬け物、鰹節など我が国の発酵食品文化は非常に発展しています。
かぶら寿司 金沢「つば甚」
やや厚めに切ったかぶにブリの旨味が米麹の手助けを受け、まろやかな熟成をします。
かぶは堅く甘みのあるのが特徴です。
麹と一緒に切り分けてそのままお召し上がりください。
飯寿司[北海道]
鮭と米麹を一緒に発酵させた熟鮓の一種です。
ハタハタ寿司[秋田]
ハタハタと米麹を一緒に発酵させた熟鮓の一種です。
かんずり[新潟]
唐辛子を塩漬けしたあと、米麹と一緒に発酵させます。辛さの中にも甘味とうま味のある調味料です。
鍋の薬味や、料理の隠し味として使用します。
かぶら寿司[金沢]
塩漬けにしたブリをカブの間に挟んで、米麹と一緒に発酵させた熟鮨の一種です。
ふぐの卵巣の糠漬け[佐渡]
猛毒のふぐの卵巣を2年以上塩を糠に漬け込むことで毒が抜ける。毒の抜けるメカニズムの詳細は、まだ解明されていません。
三五八漬け[会津]
塩:米麹:米=3・5・8の割合で混ぜた漬け床です。
納豆[水戸]
蒸した大豆を納豆菌によって発酵させます。
べったら漬け[東京]
大根の甘酒漬け。塩漬けした大根を、甘酒で漬け込み発酵させます。
しょうゆの実[長野]
なめ味噌の一種です。
いかなご醤油[香川]
いかなごという魚を塩漬けにして出た魚醤の一種。しょっつる(秋田)、いしる(能登)と並んで日本の3大魚醤とよばれます。
豆腐餻[沖縄]
島豆腐を米麹、紅麹、泡盛によって発酵・熟成させた発酵食品です。
日本発酵文化協会では、発酵の知識を広く多くの人に知っていただくため、様々な講座を
随時開催しております。次回に紹介いたしますので、ぜひお気軽にご参加ください。
次回に続く・・・
鎹八咫烏 記
石川県 いしかわ観光特使
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(順不同・敬称略)
一般社団法人 日本発酵文化協会 東京都目黒区上目黒4-31-11 グランシャリオ202
電話:03-5708-5255 E-Mail:info@hakkou.or.jp
紅山子(こうざんし)
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アーカイブ リンク記事をご覧ください。
滋賀・琵琶湖・湖北
四季折々の美しい自然に彩られ
心安らぐ観音の里
長浜「湖北水鳥公園」から奧琵琶湖を望む
湖北水鳥公園から琵琶湖を望む「これは絵画?それとも写真?」何れにしても⁉
琵琶湖にはスーパーコンピューターでさえ創造出来ないほどの顔があるのだ・・・
湖北~心安らぐ観音の里~
賤ヶ岳と余呉湖一帯は本能寺の変による信長の亡き後、羽柴秀吉と柴田勝家が覇権を争った 賤ヶ岳の合戦場であり、周囲の山々には、今も砦跡などが残っています。
高月・木之本は観音の里として知られ、戦国時代の数々の戦火を逃れ、 民衆の手によって守りぬかれてきた数多くの観音像が今も大切に残されています。 また北陸と中山道を結ぶ北国街道が走り、北国脇往還の分岐点の宿場として賑わった木之本宿は 当時の面影を色濃く残しています。
滋賀県長浜市 湖北郷土料理「鮒寿司」
鮒鮨(ふなずし)筑摩神社
古代、皇室に鮒鮨(ふなずし)などの食糧を貢納する筑摩御厨(ちくまみくりや)が置かれ、その鎮守として御食津神を祀ったとされています。毎年5月3日に「鍋冠まつり」が行われ、色鮮やかな狩衣姿に張子の鍋をかぶった数え年8つの少女たちが渡御し、本殿に参進します。
(詳細は下記のURLよりご覧ください。)
ZIPANG-3 TOKIO 2020「北国街道 木之本宿と奧琵琶湖 ~多賀大社へ」
https://tokyo2020-3.themedia.jp/posts/6100263
[浜松市]日本古来の調理法の原始焼き
炉端焼きを中心に浜松を始めとする静岡の鮮魚・野菜・肉、土鍋で仕上げた炊きたてのご飯をご提供。古き良き日本の食文化をご堪能ください。
静岡・浜松は豊富な食材の宝庫
静岡・浜松は、浜名湖・遠州灘・天竜川の豊かな水産資源をはじめ、広大な森林や多様な土質に恵まれた豊かな食文化を育んできました。
海水と淡水が混じる浜名湖は穏やかで栄養豊富な環境を利用した様々な養殖や漁業が古くから営まれ、人々の暮らしと自然が育てた豊かな生態系が広がっており、遠州灘は河川から流れてきたミネラルで育った豊富なプランクトンを目指し、多くの魚たちが集まってきます。
三方原台地の赤土、海沿いの砂地、水はけが良い傾斜地、寒暖差のある山間部など、多様な地形と土質を持つ浜松・浜名湖地域は、広大な森林から流れてきた清流の恵みを受け、それぞれの風土に合わせた多彩な作物を育てています。
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