~いわて三陸 螺鈿の世界~
「澤井正道 螺鈿展」 【令和6年度卓越技能者 受賞】
~いわて三陸螺鈿の世界~
澤井正道 螺鈿展
■ ギャラリーカワトク
パルクアベニューカワトク 5階 (岩手県盛岡市)
■2024年12月現在開催中~12月23日(月)まで
■最終日は午後4時閉場
東京下町出身の澤井正道と いわての宝との出会い
東京都墨田区の生まれである澤井正道は、昭和40年、中学卒業と同時にかんざし職人の修業に入り、糸鋸の目立てに始まる技法のすべてを一から学びました。
手切りの糸鋸を自由に使いこなして土台を作ること、素材が白蝶貝の厚貝のようにツルツルすべるようなものでも、かんざしの彫り方で金魚の尾びれの流れるような美しさや、紅葉の葉脈一本一本を彫り込む技術も学びました。
かんざし職人の修業をしているとき、いろいろな職人の仕事場に出入りすることがあり、螺鈿職人の仕事に触れる機会があり、かんざしとは違う面白さを感じて、かんざし修行の合間に独学で螺鈿を学び始めました。
15年後かんざし工房から独立して、妻の実家である岩手県に家族で移住してからは、リアス式海岸として名高い三陸の海や豊かな山々から流れ来る川で、趣味の釣りをするため毎日出かけていました。
アワビ貝
そうしたなかで国宝の修理に使われるほど良質で透明感のある岩手県産の浄法寺漆※の存在を知ったこと、美しい三陸の海から生まれた、角度によってその輝きを変え、深みのあるピンク色の三陸のアワビ貝※の美しさに触れたこと、それは予想していなかった大きな出会いとなり、澤井正道は平成21年、螺鈿澤井工房を立ち上げ、螺鈿職人として生きていくことになりました。
山に分け入り「浄法寺漆」採取の様子
※浄法寺漆
漆=japanと言われるほど日本に馴染み深い国産の漆は、岩手県二戸市浄法寺がその生産量の7割以上を算出しています。
浄法寺漆は深みのある美しい輝きと艶があり、金閣寺や中尊寺金色堂、日光東照宮などの国宝や重要文化財の修復に使われるほど良質な漆として有名です。
※厳選した美しいアワビ貝、夜光貝、蝶貝などを作品に合わせて使用しています。
角度によって鮮やかに表情を変える様はまさに自然の生み出した美しさの極みです。
厳選した美しいアワビ貝、夜光貝、蝶貝などを作品に合わせて使用しています。
角度によって鮮やかに表情を変える様はまさに自然の生み出した美しさの極みです。
螺鈿アクセサリー
螺鈿機械式腕時計
全国でも数少ない螺鈿職人 螺鈿澤井工房、澤井正道
螺鈿澤井工房は、素晴らしい岩手の自然が生み出した貝と漆を使って作品を製作し、関東、関西の百貨店をはじめ全国の展示会に出展し、お客様お一人お一人に美しく完成した螺鈿といわての良さをお届けしています。
螺鈿製作において他社の製作した土台を使うのではなく、螺鈿澤井工房では土台作りから完成に至るまで、一貫して澤井正道が製作しています。銘木とされる10年以上乾燥させた黒檀の板を糸鋸で切り出していきます。
螺鈿に使用している貝は、岩手でしかとれない、今では貴重とされる大きな美しいピンク色の三陸産のアワビ貝を使用し、夜光貝や色鮮やか貝も使用しています。
漆は貴重とされる日本産漆の中でも、特に質の高いことで知られる岩手県産の浄法寺漆のみを使って、何度も塗っては研ぎだす工程を繰り返します。そうして完成した螺鈿の作品は、浄法寺漆のつやと輝きと、三陸産アワビ貝を中心とするや繊細な色合いの貝の表情で息をのむ美しさです。
螺鈿小箱「桜」 いわて国体返礼品として岩手県知事より皇室へ献上
螺鈿棗「桜」 いわて国体返礼品として岩手県知事より皇室へ献上
令和六年度 「螺鈿細工工」としての卓越技能者受賞と、いわて三陸の螺鈿
澤井正道氏コメント
この度岩手県から、長年の職人人生に対して「螺鈿細工工」としての卓越技能者賞をいただきました。
様々な伝統技法が消えゆく中、日本の伝統文化であるかんざしの職人の技をベースにした、いわての三陸の地で生まれた螺鈿。この、いわて三陸螺鈿ともいうべき新しい螺鈿の技を後進の者に伝えていこうと思います。
岩手県にある世界遺産中尊寺金色堂は全国のお客様の認知度も高く、螺鈿装飾の最たるものの一つです。
螺鈿澤井工房はこれからも精進を重ね、螺鈿の美しさと共に精緻な職人の技というものを多くの皆様にお伝えしていきたいと思っています。
卓越技能者受賞と時を同じくして、岩手県のギャラリーカワトクからお誘いを受け、
【 ~いわて三陸 螺鈿の世界~澤井正道 螺鈿展 】を 行うことになりました。
螺鈿のアクセサリーをはじめ、螺鈿の茶道具、螺鈿小箱、螺鈿機械式腕時計、和装小物、螺鈿のぐい呑みなど、様々なものを展示販売いたします。澤井正道の追い求めてきた螺鈿の世界、そして岩手に対する思いの一端でも感じ取って頂けたら幸いです。
【お問い合わせ先】
螺鈿 澤井工房
Email:raden@sawaikoubou.com
鎹八咫烏 記
石川県 いしかわ観光特使
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(敬称略)
紅山子(こうざんし)
※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。
アーカイブ リンク記事をご覧ください。
幽玄の伝統に込められた意味『地域の文化』
『日本文化』全体の継承に大きな貢献を果す 遠江国一宮 小國神社
国の重要無形民俗文化財に指定されている『古式十二段舞楽』は毎年4月に奉奏されます。
この『古式十二段舞楽』は、今より1300年程前の飛鳥時代末にあたる大宝元年(701年) 天皇よりの使者「勅使(ちょくし)」によって小國神社に奉奏された、十二段の舞からなる舞曲です。
(詳細は下記のURLよりご覧ください。)
ZIPANG TOKIO 2020「幽玄の伝統に込められた意味『地域の文化』を護り伝え『日本文化』全体の継承に大きな貢献を果す 遠江国一宮 小國神社(その3)」
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/4361700
黄金の国ジパング『ケセン』(その13)
中尊寺と宮沢賢治が愛した~種山ヶ原と人首町~Ⅱ
中尊寺 光り輝く「金色堂」
中尊寺 金色堂新覆堂
奥州藤原氏の初代清衡が12世紀始めから四半世紀をかけて造営した寺院です。境内には、金色堂、金色堂覆堂、経蔵等の国宝及び重要文化財があり、鎮護国家大伽藍一区跡等、境内の全域が特別史跡に指定されています。金色堂は、境内北西側に位置する阿弥陀堂建築の霊廟で、藤原氏4代の遺体及び首級が安置されており、平泉の政治・行政のみならず、精神的な拠り所にもなっています。
黄金の国ケセンとは
平泉黄金文化を支えた金の産出地としては、本吉、東磐井、気仙、江刺、遠野が知られています。伊達藩時代の気仙四大金山は「玉山、雪沢、今出山、坂本沢」で苦しい藩財政を支えました。中でも玉山金山は金の産出量の多さから「玉千軒」「千人坑」などの言葉を生み、『東方見聞録』のジパングに記された金山もここを指すとの説もあります。
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