その70で島根県の出雲大社にある姥神社を紹介しましたが、姥神社については全国に分布し、祭神を姥神様としているものが多いです。このシリーズで紹介している姥神信仰とは別のものとなりますが、同じ呼び名の神様を祀っているものが多いので、今回その姥神社等が多くある宮城県のものを紹介したいと思います。
・仙台市宮城野区銀杏町の姥神神社
仙台市宮城野区銀杏町の姥神神社
宮城野区銀杏町に乳銀杏を祀った姥神神社があります。イチョウの木の雌株は、幹などから根の一種である気根が乳房のように垂れることから、子宝、子育てなどに霊験があるとされる場合があります。ここの乳銀杏は地面まで垂れた気根があるめずらしいもので、樹齢1,200年とも推定され、国の天然記念物にもなっています。その木を垂れた乳からの連想で姥神として祀っているため、姥神神社とされているものです。
・仙台市宮城野区宮千代の姥神社
仙台市宮城野区宮千代の姥神社
仙台市若林区の国分寺西にある姥神社・本薬師・聖観音
仙台市宮城野区宮千代に姥神社があり、伊豆佐賣神(いずさひめかみ)を祀っているとされます。同じ宮城県の利府町にある、伊豆佐比賣神社で祀っている伊豆佐比賣命(いずさひめのみこと)と同じものと考えられますが、この神様がどのような神様なのかは、諸説あり不明だとされています。ただ、女神であると考えられているため、ここでは姥神として祀られているのかと思われます。
さらに若林区の陸奥国分寺の西に、本薬師と聖観音が一緒に祀られた姥神社の社もあり、おそらく宮城野区の姥神社を勧請したものと思われます。
・村田町の姥神
村田市の姥神の神社
村田市姥神の手掛け石
村田町に姥の手掛け石を祀った、入口の鳥居にも姥神とだけ書かれた神社があります。この石の由来は、集落の北東の姥が森にすむ老婆が、大きな赤ん坊を背負って生活していましたが、川の水を飲もうとした時に手をついた石がこの石だとされ、そのときの手形が残っているとされています。そして老婆の背負う大きな赤ん坊が後の渡辺綱だとされます。渡辺綱は源頼光の四天王の一人で、鬼退治で有名な人物です。
そのためか、この石は鬼の手掛け石とも呼ばれ、由来についても別のものがあり、鬼の腕を切り落とした綱がその腕を持って滞在した時に、老婆に化けた鬼がその手を取り返しに来て、綱から奪って逃げる時、川で滑って手をついた時の石だともされるようです。
ちなみに同町のふるさとおとぎ宛には、渡辺綱から腕を奪って逃げる迫力ある鬼の人形があり、歴史みらい館には鬼のミイラが展示されています。
・石巻市の姥神社
仙台市宮城野区銀杏町の姥神神社
石巻市に姥神社があり、ここでは川で溺れた子どもを助け、しかしながら自分は浮かんでくることはなかったとされる老婆を祀ったとされています。
参考
姥神と呼ばれるもの~祖母神さまと出雲の姥神社
ZIPANG-10 TOKIO 2020 全国の姥神像行脚(その70)姥神と呼ばれるもの ~祖母神さまと出雲の姥神社~ 【寄稿文】 廣谷知行
https://tokyo2020-10.themedia.jp/posts/55611307
次回に続く・・・
寄稿文
廣谷知行(ひろたに ともゆき)
姥神信仰研究家
※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。
発行元責任者 鎹八咫烏(ZIPANG TOKIO 2020 編集局)
アーカイブ リンク記事をご覧ください。
東北の新しい道がひらけました
東北を!みんなでこの道を歩きましょう。
東北の新しい道がひらけました。名前は、「みちのく潮風トレイル」と言います。 とてもとても長い道で、森と海のどちらの恵みも感じることができる豊かな道です。
森、里、川、海のつながりから生まれた自然とそこで紡がれた物語は、このトレイルだけが持つ美しい魅力。 そしてこの道から人々の暮らしが伝わり、やがて未来へと続いて行くことを願っています。みんながいっしょになって歩くことで、道になる。全路線開通を目指して、まず4月24日には名取市~岩沼市区間が開通します。
どうぞ、東北を!みんなでこの道を歩きましょう。
(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)
フロリダから届いた、安倍首相からのメール
ZIPANG TOKIO 2020〜ビッグなお知らせ〜「環境省 みちのく潮風トレイルとは!全路線開通を目指してまず、名取市~岩沼市区間が4月24日に開通します」
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/4049891
仙台・青葉まつりとは・・・
起源は、江戸時代・仙台藩最大の祭りの仙台祭まで遡ります。
明暦元年(1655)年に始まったこの祭は、毎年9月17日に東照宮(仙台市青葉区)の祭りとして、藩をあげて行われ盛大なお祭りでした。町内より多い時では70基の山鉾が城下を練り歩いたそうです。
明治時代になると、明治7年にできた伊達政宗公を祀る青葉神社(仙台市青葉区)の礼祭に変わり、政宗公の命日である5月24日に執り行われるようになりました。この礼祭は、青葉祭りとも呼ばれ盛んに行われていました。
特に明治18年の政宗公没後250年祭や、昭和10年の300年祭には多くの山鉾が市中に出て盛大に行われました。
しかし、昭和40年代後半には交通事情等により途絶えてしまいました。
現在の仙台・青葉まつりは伊達政宗公没後350年を迎えた昭和60年に、長年途絶えていた「青葉まつり」を“市民がつくる市民のまつり”として復活させたもので、今年32回目を迎えます。(27回は、東日本大震災のため中止)現在では杜の都・仙台の初夏を彩り、仙台3大まつりの一つとして、仙台市民はもとより、多くの方々に愛されるまつりとして定着しています。
(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)
ZIPANG TOKIO 2020「必見!『伊達の舞』 仙台・青葉まつりは 5月19日(土)、20日(日)開催」
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/posts/4195865
東北3県復興支援
「みちのく いいもん うまいもん」
独立行政法人中小企業基盤整備機構(略称:中小機構、所在地:東京都港区)は、東北3県の地域産品を対象とした「みちのく いいもん うまいもん」首都圏テストマーケティング(テスト販売)を行います。
岩手県滝沢市 チャグチャグ馬コ初詣「鬼越蒼前神社」
凍てついた白雪の鎮守の杜をあとにし、人も馬も鮮やかな紅緋と黒の衣裳飾りで行列をくむとき、辺りは一挙に華やぐ・・・
岩手県住田町 橋と桜がある風景~橋を見上げると…今にも駆け出しそうな子供たち。遅い春の訪れは余計に嬉しくなるんだよね 🎶
福島県三島町 奧会津の軒下には・・・東北ならではのつるし柿
宮城県 武田の笹かまぼこ体験会…こんがり狐色に焼けて、美味しそう~
そっか〜バーベキュースタイルもイイナ💞
(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)
ZIPANG-5 TOKIO 2020 東北3県復興支援 「みちのく いいもん うまいもん」 首都圏テストマーケティング 開催
https://tokyo2020-5.themedia.jp/posts/11770820
南三陸町お薦めの見どころご紹介
海の幸のご賞味を~南三陸町 未来に向けて~
南三陸町の入谷地区は、かつて仙台藩養蚕発祥の地として絹の生産で栄えました。その繁栄をしのぶことができるのが、旧入谷村の村長も務めた須藤家の邸宅「松笠屋敷(旧須藤家)」を含むひころの里です。
「ひころ」とは「ひかり」の意味。松笠屋敷の座敷や庭からは遠く保呂羽山を借景に、四季折々の美しい眺めを楽しむことができます。
中世にこの地方を治めた、葛西家旧臣の末裔と伝えられる須藤家の邸宅と土蔵を、修復保全して公開しています。江戸後期に建設された在郷の藩士住宅としては 非常に貴重で、建築文化史上の価値も高いとされており、中には農具や掛け軸なども示されています。
ばっかり茶家
地元の素材にこだわった料理を提供しています。季節の旬と山里の幸を盛り込み、里の温もりたっぷりの「ひころ膳」はお勧めです。(要予約)
これからの南三陸町について
隈研吾氏設計 南三陸町震災伝承施設の上棟式を実施
町民のケーススタディを元にしたラーニングプログラムを提供する「南三陸311メモリアル」
南三陸町震災伝承施設「南三陸311メモリアル」は鉄骨造り一部2階建てで、延べ床面積約1400平方メートルの建物。
2022年4月オープンを目指していましたが、新型コロナウイルスにより、建設資材の調達が大幅に遅れ、同じく周辺で整備中の観光交流拠点やバスターミナルとともに今秋10月のオープンに計画変更となりました。
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