ZIPANG-10 TOKIO 2020強みと技術を活かし、創意工夫で世界を少しずつ良くする! 奈良を拠点とする企業が開発した商品およびサービスを発表


2024年12月5日(木)、奈良県商工会連合会主催の「自社の商品・技術・サービス・アイディアを伝えよう!ビジネスマッチなら ビジネスコンテスト」が奈良県コンベンションセンターにおいて行われ、奈良県内に拠点をおく15社が、日頃から創意工夫を重ねて生み出した、魅力ある商品やサービスをコンテスト形式で発表しました。


本リリースでは、職人技の継承、フードロス、インバウンド需要、めっきによる環境汚染、放置竹林問題などの社会課題に対し、自分たちができることから一歩を踏み出している事業者をご紹介します。


世界を少しずつ変える商品やサービス


【日本工芸の火を絶やさない!オリジナル製品で職人と消費者の意識を変える

工芸×アウトドアブランド「stock arts.」で叶える未来】

会社名: asuworks


手作りの良さを届けます


asuworks(奈良県奈良市、代表:田代 敦士)は、『未来を創るデザインとものづくり』をコンセプトに、商品企画、商品デザイン、パッケージなどのグラフィックデザイン、WEBデザインを手掛けています。


また『工芸×アウトドア』のシナジーを生むべく、所有欲をくすぐるアウトドアブランド「stock arts.」を立ち上げ、吹きガラスの技術を生かしたランタンを販売しております。


■日本の伝統的工芸品は危機に瀕している


職人の技を後世へ


令和4年5月版の「伝統的工芸品産業の自立化に向けたガイドブック」によると、平成10年には2,700億円ほどあった伝統的工芸品の生産額は、令和2年には約870億円と、3分の1以下になっています。


このまま何もしなければ、右肩下がりに減少していくことでしょう。奈良県には国指定の伝統的工芸品である高山茶筅や奈良筆、奈良墨をはじめ、約20の伝統工芸品があるにも関わらず、その存在は知る人ぞ知るものとなっています。その背景にあるのは、伝統工芸師(職人)の高齢化と師弟制による後継者の不足です。


代表の田代は、祖父母の影響で、幼少期から高山茶筅や赤膚焼、吉野杉細工や三宝、奈良墨など、数々の工芸品が当たり前のように身近にある環境で育ちました。大人になって工芸品の現状を知るにつれ、職人の技術を守っていきたいと強く思うようになったのです。


解決のためには、職人側と消費者側、双方の問題を紐解き、解決していく必要があります。まず職人側の問題は、情報発信やマーケティング、販路開拓の弱さが挙げられます。


チャレンジも得意ではありません。消費者側の問題は、価格の根拠や価値を知らず、工芸品や伝統文化にあまり投資しない点といえるでしょう。

工芸品の「価値」である、ストーリー性や、大量生産にはない個性を上手に発信し、使い捨てられない良さをもっと広めていくために、「stock arts.」は生まれました。当社のディレクション力を生かし、職人とデザイナーの協業で、まずはランタンのホヤが生まれました。光をあてると、まるで水面が揺れるように輝くさまは、手作業でしか生み出せない美しさです。おかげさまで売上は右肩上がりで、お取引店舗は2年で6倍以上に増え、販売個数も伸びています。手仕事の良さを伝えられているのではないでしょうか。


■職人とのコラボで創るオリジナル商品を開発中


赤膚焼や奈良墨、奈良ガラスを用いた新作も考案中


今後、多くの方が工芸品にふれる機会を増やしていくためにも、当社の活動をより一層知っていただく必要があります。そこで新たな取り組みとして、赤膚焼のランタンのホヤや、奈良墨のクレヨン、インテリア性の高い新たなガラス製品の制作を検討しています。


ここで変化のきっかけを作って技術を後世に伝えることが目標です。奈良1300年の歴史から生まれた伝統工芸品を守り育て、これから先の1300年に受け継いでいきたいと思っています。ご注目ください。


【24時間利用可能なシェア工房と、AIやIoTを活用した無人食堂・販売所を2025年3月、
奈良市法華寺町にオープン!

~小規模飲食店のコストや廃棄食材を削減しつつ販路拡大に貢献~】
会社名: 目利氣358株式会社


2025年3月オープン予定


目利氣358株式会社(所在地:大阪市、代表:箱井 孝)は、個人経営の飲食店でも気軽にアウトソーシングできる、小ロット(35パック~)でのレトルトをはじめとした物販用食品の製造販売のワンストップサービスを提供しています。


この度、新事業として24時間利用可能なシェア工房と、AIやIoTを活用した無人食堂・販売所を2025年3月、奈良市法華寺町にオープンいたします。


■8坪に込められた最新技術

24時間利用可能なシェア工房(予約制)は、急なキャンセルなどで余った食材を物販用に商品化したい飲食店の方や、飲食店開店や新商品開発のコストとリスクが心配な方の試作などでの利用を想定しています。通常のシェア工房とは異なり、目利氣358社から商品化についてのアドバイスを受けることも可能です。


販売スペースには、AIとIoTを活用した物体識別機能やキャッシュレス決済を搭載したリーチインショーケースを設置します。この次世代スマート販売機は、ICタグで賞味期限の個体管理ができ、専用クラウドシステムで販売個数や在庫、ユーザーの管理ができます。リアルタイムモニタリングで盗難にも対応します。


シェア工房で製造したものを即販売できるうえ、売れ行きデータの活用により低リスクで新商品のテスト販売ができ、消費者のニーズに合った商品づくりができます。


消費者は、複数飲食店の商品から食事を選ぶことができ、意外な名店を知ることができたり好みの味を見つけたりすることができます。またキャッシュレス決済のためのアプリ登録をすることでリコメンド機能が働き、好みの商品が入った際は通知を受け取れます。


食堂部分には簡易な調理器具が用意されていて、購入品はその場で調理して飲食可能。テストオープンでは調理法解説動画が2,000回以上再生されるなど、反響がありました。


当社は本店舗の導入により、個人飲食店でも低リスクで物販用の商品化に参入できる環境を提供します。1人でも多くの方が商品化を実現すれば、それが食品ロスの削減と経済効果につながるからです。


実際、2021年度の飲食店におけるフードロスは全体の15%にあたる80万トンです。食材を有効活用できれば、廃棄物が大幅に削減でき、数千万円(当社試算)以上の経済効果が見込めます。

■目利氣358は小規模飲食店を応援しつづけます


多彩な商品に対応しています


目利氣358株式会社は、2021年の創業以来、100種類、10万パックのオリジナルレトルト商品を製造販売してきました。


料理の再現性は90%以上(店主評価)と、利用飲食店様からも高評価をいただいております。ただ物販用に商品化するだけでなく、在庫を抱えなくてよいように、卸売先の確保やオンラインショップ・ライブコマースでの販売など、販路を確保してきたことが成功のポイントでした。


作業の様子


今回、製造と販売を一体化させた実店舗をオープンすることで、小規模で飲食店や食品販売を営む方々とのさらなる相乗効果が生まれることを願っています。

【スペイン語圏の約5億人がターゲット!日本と奥大和の良さを存分に発信】

会社名: 日本文化情報配信 Japon es chido 日本知道


日本と奥大和の良さをスペイン語圏へ発信


日本文化情報配信 Japon es chido 日本知道(奈良県吉野郡東吉野村、発行:アンドレス・カマチョ)は、年2回の本の発行:ルーラルマガジン「ときどき百姓」を軸に、映像、音声メディア、YouTube、SNS、Podcast、Spotifyにて日本と奥大和の魅力を日本語とスペイン語で発信しています。

Japon es chidoはスペイン語で「日本は最高」という意味です。


■マガジンタイトルの「百姓」は「百の可能性」の意


ルーラルマガジン「ときどき百姓」


私たちが発刊する「ときどき百姓」のタイトルは、日本の歴史学者である網野善彦氏による「百姓は、農民だけではなく商業や手工業など、多様な生業の従事者であった」という主張にインスパイアされて名付けました。そこから「百の生き方」「百の可能性」という意味で使用しています。


日本の中でも奈良は特に歴史深い場所とされています。ただ歴史はその時々の情勢の勝者によって語られることがほとんどです。だからこそ私たちは、「歴史に載らない地域の魅力、市井の人々の魅力を語ろう」と、天誅組の墓所のある東吉野村へ拠点を移して早3年、この地で生きる中で「百の可能性」を感じながら、日本の奥深さや、奥大和の魅力を発信しています。


■なぜメキシコをターゲットにスペイン語で情報発信をするのか

メキシコはアンドレスの母国ですが、ターゲットとする理由はそれだけではありません。スペイン語を母語とする人の数は世界2位で、約5億人。さらに、メキシコの人口は約1.3億人でスペイン語圏の中で最も多く、その大半を20~30代が占めている、若く活気のある国です。


スペイン語圏から日本への観光はトレンド化しており、今年の訪日外国人は過去最多を記録しました。「もっと深い日本を知りたい」と、これまで以上に関心が高まっています。しかし、スペイン語で発信されている日本の情報は少ないのが現状です。得られる情報は英訳を経由しているため、もっとダイレクトに情報を得られる手段が必要だと思っていました。


私たちが日本の魅力を伝えることで、もっと相互理解がすすみ、人々の交流や経済活動が活性化することを目指しています。


■日本文化情報配信 Japon es chido 日本知道のこれまでとこれから


YouTubeやSpotifyでも楽しめます


東吉野を拠点に活動していますが、東京やメキシコなどに出かけていって魅力を伝える活動もしています。


2024年11月に、メキシコで「ときどき百姓」の出版イベントをした際は、メキシコ観光庁の政治家の方々が40名も来場くださり、持参した「ときどき百姓」100冊は完売しました。


日本の魅力として欠かせない「お米の文化」というつながりから、銘酒「獺祭」の蔵元である旭酒造株式会社様にスポンサーをしていただいています。


今後も奈良のローカルな魅力を、東吉野村からスペイン語圏に向けて発信していきます。
これまでに私たちの本やラジオでの発信を通じて東吉野村を知り、興味を持って実際に足を運んでくださった方々は、通算300人を超えました。


出身は、メキシコ、アルゼンチン、スペインをはじめ、世界各国です。今後もこの輪を広げていく所存です。


【金属のナノ化技術等により、あらゆる素材にめっきでき、地球環境に優しいめっき法を実現~金属塗装用めっきスプレー缶開発~】

会社名: 有限会社高山商会


ナノ粒子めっき液


有限会社高山商会(奈良市、代表:高山 政広)は、大学との共同開発で新しい商品を生み出し、それを販売する会社です。ナノ粒子めっき液を利用した工芸品めっきとスプレー缶への応用についてご紹介します。


■ナノ粒子めっき液を用いためっき加工


かけ流すだけで金めっきができます


従来のめっきは電気分解にて行われるため、めっきできる素材は金属に限られていました。大がかりな電気設備が必要で、素材の前処理にシアンやクロムを使用するため環境汚染の原因ともなっていました。


それに対し当社のナノ粒子めっき法は、2つのコア技術により今までのめっき法のデメリットを解消しています。1つは、金、銀、銅、パラジウム、ニッケルなどの金属をナノ化する技術です。例えば、直径1センチの球体を、質量を変えずに10nmにナノ化すると表面積は100万倍になります。金属をナノ化することで金属の表面積が広がり、めっき対象物に細やかに付着できるのです。


もう1つは、素材の官能基と結合しやすい、チォール化合物を使った結合基(バインダー)の生成技術です。これにより、ナノ粒子めっき液をかけ流したり、液に素材を漬けたりするだけで、樹脂、ガラス、紙、木材、植物など、あらゆる素材に粒子が結合し、めっきが可能になりました。


電気を使わないため、めっき設備が簡略化できると共に、素材に直接めっきができますので、シアンやクロムを使用した前処理が必要なくなるため有害物質もでません。


■複雑な造形物や植物にまでめっきができます


菩提樹の葉やかすみ草にもめっきできます


例えば金箔を貼るには熟練の技が必要です。そしてその技をもってしても、複雑な造形物や小さいものは細部まで行き届かないことがあったり失敗したりすることがあります。当社のナノ粒子めっき法であれば、かすみ草の花の1つ1つや、菩提樹の葉脈1本1本にまで繊細にめっきを施すことが可能です。しかも、めっき結合しているので強く、簡単にはがれることもありません。

当社ではこの技術を用いて、塗装用のスプレー缶を開発しました。まるで塗料のようにめっきができるもので、美術学校と連携してスプレーアート用の画材として商品化を目指しています。今後、自動車産業や建築・インテリアなど幅広い用途への応用が期待できるものです。


■新しい商品を開発し続けるためのネットワーク活用

当社は、新製品を開発し続けるための高い技術力と志を持っています。当社がハブとなって、アクティブシニアのネットワークを構築したり、支援を通してベンチャー企業と協力したりすることで、お互いを補完しあい、シナジー効果を生み出しています。また販促にはInstagramを活用し、その投稿には生成AIを利用して効率化を図ることを検討中です。

人生100年時代。何歳になっても新しいことにチャレンジできるという「わくわく感」を持ち続けられることが社会の活性化にもつながります。世代や組織の枠を超えたネットワークの実現も目標のひとつです。


【土に還る竹チップでつくる環境にやさしい防草剤~竹で育む、地球と共生する循環型社会を目指して~】

会社名: 株式会社K's工房


竹チップで草抜き不要の庭に


株式会社K's工房(奈良県天理市、代表:小崎 浩二)は、新築からリフォームまで幅広く対応する、設立10年を迎えた工務店です。庭の施工で施主様と工務店の両方を泣かせてきた竹の処分について、竹チップにして防草剤として敷設する事例をご紹介します。


■竹林整備の依頼で知った放置林の現状

竹は他の樹木と違い、処分代が割高なうえに更地にする際は地下茎の撤去が困難で、工務店と施主の両方を悩ませてきました。


竹の地下茎は非常に強く、林野庁による全国の竹林面積で見ると、昭和61年には14.7万haだったものが、平成24年には16.1万haと、緩やかに増加してきています。その多くが管理者を失って整備されずにいる放置林として問題になっています。


当社はこの竹を活用できないかと考え、樹木粉砕機を用意して竹チップを製造することにしました。チップには粗めと細かめがあり、価格、見栄え、土への戻りやすさなどで差があります。


竹林に出向いて、伐採とチップ製造作業を請け負うこともできるようになり、微力ながらも放置竹林解消に尽力しています。


■竹チップで、草抜きをしなくていい庭づくりを


効果は5年程度持続します


竹チップは土壌改良剤や家畜の飼料にも使われますが、当社では庭施工時の防草剤として使用しています。


当社の実験では約3平方メートルの面積に厚さ10cm以上の竹チップを敷設したところ、夏場でも生えた草が10本程度で済み、一定の防草効果が見られました。条件にもよりますが、防草効果は5年程度持続します。竹チップを足し増しすることで効果は蘇ります。


【敷設例】粗め(左)と細かめ(右)の竹チップ


当社ではこれまでの工務店の知識を生かし、竹チップ敷設の際には、縁石などを効果的かつデザイン的に配置する事で雨水時のチップの流出を防いだり、雨水桝等の高さ調整をしたり、竹チップ自体に緩やかに勾配をつけて排水路及び、既存植物への通水を確保する等、工夫して施工しています。


粗めのチップの上から細かめのチップを撒いて整えるなど、粗さの使い分けもご相談にのっています。


■やがて自然に還る安心安全な資源

竹チップはプラスチック成分や化学成分を土壌や大気中に残すことのない、100%天然資源です。放置しても最終的には土に還るため、環境汚染は起こしません。竹は精力的にどんどん増えます。手に負えないと思ってしまえば厄介者ですが、私たちに豊富な資材を提供してくれていると思えば宝です。


地球と仲良く共生していくためにも、当社は竹チップという土に還る防草剤をさらに普及させる所存です。


K's工房では、竹チップ(粗め)、竹パウダー(細かめ)のほか、既存の炭より柔らかく畑等の土壌改良に適しているポーラス竹炭の販売をしています。また、竹林の整備や管理、オペレーター付きチッパーの貸出も請け負っています。竹でお悩みの方は、ぜひご一報ください。


鎹八咫烏 記
石川県 いしかわ観光特使
伊勢「斎宮」明和町観光大使


協力(敬称略)

紅山子(こうざんし)


※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。


アーカイブ リンク記事をご覧ください。


石川県の伝統的工芸品36業種には、
百万石文化の歴史と進化の足跡が刻まれています。

国指定伝統的工芸品


輪島塗 石川県漆芸美術館 地球儀                 編集局イメージ


輪島塗

輪島塗の特徴は、輪島特産の「地の粉(珪藻土の一種)」を漆に混ぜて繰り返し塗る本堅地技法や、木地のいたみやすい上縁に生漆を塗る「地縁引き」などの丁寧な手作業から生まれる堅牢さにあります。使いこむごとに美しさを増す輪島塗は、用と美を兼ね備えた漆器です。


石川県内36業種の伝統工芸

江戸時代、加賀藩主・前田家が推し進めた文化振興策によって、石川県には現代まで受け継がれる華やかな工芸文化の数々が花開きました。


「九谷焼」をはじめとする焼き物、「輪島塗」、「山中漆器」や「金沢漆器」に代表される漆芸、「加賀友禅」、「牛首紬」や「加賀繍」のような着物、


現在も金箔の全国シェア99%を誇る「金沢箔」、 漆芸や木工芸の技を盛り込んだ「金沢仏壇」や「七尾仏壇」などなど。


石川県内の伝統工芸の産地も令和6年能登半島地震で大きな被害をうけましたが、伝統の技を守るため復興に向けて頑張りますので、ぜひ応援をお願いします!


(詳細は下記のURLよりご覧ください。)


ZIPANG-8 TOKIO 2020「いしかわ伝統工芸フェア2024」石川県36業種の工芸品約二万点即売&石川のうつわの哲学と題した講演会を開催!
https://tokyo2020-8.themedia.jp/posts/51626162



日本の伝統工芸 『日本遺産』井波彫刻とは

「木槌の音が響き、木々の薫りが漂うまち 井波(壱)」


通りの左右に井波彫刻の工房が建ち並び正面には瑞泉寺 


瑞泉寺の再建に端を発し,宮大工の鑿 (のみ)一丁から生まれた華麗にして豪壮な井波彫刻と,その木彫刻職人たちが造りあげたまち井波。彫刻工房と町家が軒を連ねる石畳の通りには、木槌の音が響き,木々の薫りが漂う。通りには至るところに七福神や十二支などの木彫刻が飾られ、まちはさながらに木彫刻の美術館のようです。


春には井波彫刻で飾られた曳山や屋台,獅子舞がまちを練り歩き,地域の安泰や五穀豊穣を祈ります。


地域の暮らしに根づく井波彫刻は,その高い技術力や芸術性を広く全国から認められ,今や日本の木彫刻文化の護り手となっているのです。 


井波彫刻の由来

明徳元年(1390年)本願寺五代綽如上人(しゃくにょしょうにん)は、後小松天皇の勅許(ちょっきょ)天皇より命令が下ることにより井波別院を創設したが、いく度か焼失しそのつど再建されました。


特に江戸時代中期、瑞泉寺本堂再建のおり、本堂彫刻のため、京都本願寺より、御用彫刻師・前川三四郎が派遣され、このとき地元大工・番匠屋九代七左衛門ら四人がこれに参加し、前川三四郎について彫刻の技法を本格的に習ったのが井波彫刻の始まりであります。


寛政四年(1792年)瑞泉寺勅使門(ちょくしもん)菊の門扉、両脇に彫刻した「獅子の子落とし」は七左衛門の代表作で、狩野派風な図柄で浮き彫りの技法が駆使され、日本彫刻史上の傑作とされています。


以後、その門流が江戸時代末期頃まで主に神社仏閣彫刻などにその技法を競っていました。

明治時代に入ってから寺院欄間に工夫をこらして新しい住宅用の井波欄間の形態が整えられ、特に初代・大島五雲は欄間彫刻の研究に没頭して新生面を開きました。


昭和に入ってからも、寺社彫刻は活発で、東本願寺・東京築地本願寺・日光東照宮など全国各地の寺社・仏閣の彫刻を数多く手がけ、それと並行して一般住宅欄間・獅子頭など・置物にも力が注がれました。


現在、名工らの子孫によって受け継がれてきた伝統ある「井波彫刻」は時代の流れとともに豪華さを誇った寺社彫刻から民家の室内彫刻へと多くは移り変わっており、なかでも住宅欄間はその主力となっています。


昭和22年に井波彫刻協同組合を結成し、昭和50年には通産大臣より伝統的工芸品の指定を受けました。そして現在では伝統工芸だけでなく、日展などへの作家活動も盛んに行われています。


過去250年にわたって、培われてきた技術の集積がいま伝統となって欄間をはじめ獅子頭・天神様・衝立・パネルなどの中から窺うことができます。


(詳細は下記のURLよりご覧ください。)


ZIPANG-2 TOKIO 2020~『日本遺産』井波彫刻とは~「木槌の音が響き、木々の薫りが漂うまち 井波(壱)」
https://tokyo2020-2.themedia.jp/posts/5076087



「飛騨の匠」の魂と技を伝承【飛騨産業】


法隆寺夢殿                            編集局イメージ


国宝 法隆寺夢殿

薬師寺・法隆寺夢殿・東大寺など幾多の神社仏閣の建立に関わり、平城京・平安京の造営に貢献し、日本建築史における黄金時代の一翼を担ったのです。


「飛騨の匠」の起源は、縄文時代までさかのぼります。

飛騨は東西に延びる中央の分水嶺を境に、雪の多い北部はブナやナラなどの広葉樹、南部はヒノキなどの針葉樹が広がっていました。また、飛騨山脈や白山からもたらされる水に恵まれ、食料となる肉や木の実なども手に入る住みやすい土地でした。


豊かな森から生まれる木材は、竪穴式住居の建築に利用されていました。

木を切る道具となる蛇紋岩が比較的どこでも採れたため、遺跡の住居周辺には木を伐り倒す斧や、ほぞ孔を開ける鑿(のみ)などの石器がたくさん出土しています。


飛騨の「いらない人はいない」とは

飛騨の縄文人は、良い素材に恵まれた環境で、道具を駆使して住居を建て、みんなで力を合わせて作業するようになりました。人口の少ない飛騨では、昔から「いらない人はいない」といって、よそ者を受け入れる考え方が根づいており、助け合いながら共同で作業することが得意だったと考えられています。


養老律令に飛騨の匠、現る

「飛騨の匠」が現存する史料に初めて登場するのは、今からおよそ1300年前のことです。


養老二年(718年)に編纂が始まり、天平宝字元年(757年)に施行された「養老律令」の賦役令に斐陀(飛騨)国条が定められ、飛騨からは1里(50戸)につき10人が1年交代で都へ出役することが義務づけられました。


史料に残ってはいませんが、その前の大宝律令(701年)でも同様であったと考えられています。


飛騨国は優れた木工集団を派遣する見返りとして、租・庸・調のうち、庸・調という税が免ぜられました。これが律令政治による、飛騨から都へ人材を派遣するという「飛騨の匠」制度の始まりです。


当時の飛騨は10里程度と推察され、1年に100人を基本とし、工事の状況によって多い時には200人近くが徴用されました。平安末期までの約500年間で、都に向かった人数は延べ4万とも5万ともいわれています。


食料や調理人の確保運搬も自分たちで行ない、仕事は年に330日以上350日以下と定められ、この日数に達しなければ飛騨に帰ることが許されませんでした。


厳しい労役に耐え、真摯で並はずれた腕を誇る木工集団は、いつしか「飛騨の匠」と称賛されるようになりました。


(詳細は下記のURLよりご覧ください。)


ZIPANG-7 TOKIO 2020 「飛騨の匠」の魂と技を伝承【飛騨産業】
https://tokyo2020-7.themedia.jp/posts/41110746



※現在、2500件余の記事掲載、下記のサイトからご覧ください。


ZIPANG-10 TOKIO 2020 (VOL-10)
https://tokyo2020-10.themedia.jp/


ZIPANG-9 TOKIO 2020 (VOL-9)
https://tokyo2020-9.themedia.jp/


ZIPANG-8 TOKIO 2020 (VOL-8)
https://tokyo2020-8.themedia.jp/


ZIPANG-7 TOKIO 2020 (VOL-7)
https://tokyo2020-7.themedia.jp/


ZIPANG-6 TOKIO 2020 (VOL-6)
https://tokyo2020-6.themedia.jp/


ZIPANG-5 TOKIO 2020 (VOL-5)
https://tokyo2020-5.themedia.jp/


ZIPANG-4 TOKIO 2020 (VOL-4)
https://tokyo2020-4.themedia.jp/


ZIPANG-3 TOKIO 2020 (VOL-3)
https://tokyo2020-3.themedia.jp/


ZIPANG-2 TOKIO 2020(VOL-2)
https://tokyo2020-2.themedia.jp/


ZIPANG TOKIO 2020 (VOL-1)
https://tokyo2020-summer.themedia.jp/


ZIPANG-10 TOKIO 2020

日本の精神文化と国土の美しさについて再発見 その1. 全世界との情報の共有化 その2. 偏り、格差のないローカリティの尊重! その3. 美しきものへの学び、尊敬、関心を高める教育と推進

0コメント

  • 1000 / 1000