津山建築祭2025は、歴史的空間のなかで建築を体感し、新しい建築を考えることをテーマとして、美作国(みまさかのくに)エリア(岡山県北の地域)で開催する、建築を人々の生活に欠かせない芸術の一つと捉える建築の祭典です。
第一回津山建築祭2025は、津山市の城東(城東伝統的建造物群保存地区)・津山洋学資料館・津山文化センターなど、歴史的建築物を中心として開催いたします。また今秋、津山において、地方色豊かな様々なイベントが開催。それらのイベントへの体験参加と開催される会場の美しい建築もご紹介してまいります。
1965年川島孝治設計による「津山文化センター」。
日本の伝統的な建築様式を近代的な素材と技術で再構成したモダニズム建築である。
城下町として栄えた津山の町並みをはじめ、地域に息づく歴史的空間を舞台に、
文化・思想・デザインなど多様な視点から、建築を未来へと繋ぐ機会をつくります。
津山建築祭の開催にあたって
〈津山建築祭〉は、建築を通じて地域の歴史や文化を感じ、未来を考える祭典です。
津山は岡山県北・美作国(みまさかのくに)の中心として栄え、国の重要伝統的建造物群保存地区に2つの地区が選定されています。なかでも城東地区には白壁やなまこ壁、格子戸の家々が連なり、建築家・吉阪隆正の祖先である《箕作阮甫旧宅》や、象設計集団による《津山洋学資料館》が、江戸期の学問の豊かさを今に伝えています。こうした物語は、多彩な近代建築群や、個性際立つモダニズム建築《津山文化センター》へと広がり、さらに厚みを増していきます。
独創性は津山市内にとどまらず、美作国一円に及びます。磯崎新の《奈義町現代美術館》、隈研吾による《GREENable HIRUZEN(グリーナブルヒルゼン)》、江川三郎八の擬洋風建築、そしてリノベーションを通じた地域再生の取り組みが重なり合い、この地域ならではの建築文化を形づくっています。
近年、「イケフェス大阪」「京都モダン建築祭」「東京建築祭」といった催しを通じて、建築を開き、人々がまちと建築の魅力を再発見する機運が全国に高まりました。その潮流が、2025年秋、いよいよ美作国で新たな一歩を踏み出します。
〈津山建築祭〉を通じて地域を知り、歩き、展覧会やイベント、ガイドツアーや特別公開を楽しんでいただくことから、新しい建築の物語が始まります。
津山建築祭 実行委員長 倉方俊輔
城東町並み保存地区
1. 津山とは
津山藩は徳川将軍家の一族である親藩(しんぱん)大名の中でも、特に高い格式を与えられた「御家門(ごかもん)」であり、御三家に次ぐ格式を誇りました。徳川家康の二男を祖とし、将軍家を血縁で支える重要な存在として位置づけられていました。
松平洋史子氏
水戸徳川家の流れを汲む讃岐国高松藩松平の末裔。
「松平法式」を受け継ぎ、おもてなし講師として世界で活動。
大日本茶道協会会長三代目。広山流華道教授。
津山を「美都(びと)」と命名。
意匠を統一した修景事業に積極的に取り組む美しい建築の街であり、徳川家康の末裔、松平洋史子様より「美都(びと)」と拝命いただいた地域です。
また、日本の近代化に寄与した洋学研究の資料が展示された日本唯一の「津山洋学資料館(建築界の巨匠ル・コルビュジエの弟子の一人である、津山に祖をもつ吉阪隆正の弟子が設計)」や、ペリー来航時に米大統領国書を翻訳した箕作阮甫(吉阪隆正の先祖)が幼少期を過ごした生家、「珈琲」の文字等を考案した宇田川榕庵の功績を冠したこだわりの珈琲店など、近代化に貢献した洋学者のルーツと文化が色濃く残ります。
●津山藩大名行列絵図。親藩将軍家。高い格式。
親藩津山藩の威勢を示す豪快な「大名行列図」。藩主を中心に武士、足軽、風呂係まで、総勢812人が 克明に描かれています。津山藩は将軍家「葵の御紋」、高い格式のある藩です。
●津山洋学資料館
建築界の世界的巨匠ル・コルビュジエの弟子である吉阪隆正の設計事務所は、世界遺産である国立西洋美術館と、この津山洋学資料館という二つの博物館を設計しました。吉阪隆正は、ペリー来航時に通訳を務め、日本初の大学教授となった箕作阮甫の子孫であり、津山は東京大学の聖地であり、またル・コルビュジエともつながる建築文化の聖地といえます。
●津山の城東地区の価値=歌舞伎の聖地。演目「津山の月」の地
歌舞伎の祖「名古屋山三郎」の墓は津山院庄にあります。
津山の月あらすじ:
一人の女性が、津山藩士名古屋山三郎を追って京都からやってきました。これが出雲阿国。月の光が照らす夜の津山の城東地区で2人は感動的な再会を果たします。そして、阿国は山三郎との馴れ初めを艶やかに語り、やがて歌舞伎踊を創始した頃を懐かしみながら共に花笠踊りをします。歌舞伎の祖である二人のラブロマンスの物語が、歌舞伎の清元「津山の月」。この城東地区はまさしく歌舞伎の聖地なのです。
以上、美作国の中心であった津山の歴史的な空間から、奈義町、真庭市までを含めて、〈津山建築祭2025〉は、「物語の街―津山から考える新しい建築」をテーマに、歴史、思想、哲学、デザインさまざまな角度から「新しい建築」を考える機会となることをめざします。
開催時期:2025年10月11日~12月7日
開催地 :岡山県津山市、真庭市、奈義町
会場 :美作国(みまさかのくに)エリア(岡山県北の地域)
テーマ :美しい建築の街―津山 津山から考える新しい建築
主催 :津山建築祭実行委員会
共催 :津山市、日本建築設計学会、津山街デザイン創造研究所、
美作の国アートゾーン構想推進委員会
後援 :岡山県(予定)、津山市、真庭市、奈義町、津山市観光協会
協賛 :美都グループホテルズ、株式会社リストワールインターナショナル、
株式会社MEBUKU
協力 :津山洋学資料館、奈義町現代美術館、GREENable HIRUZEN、泰安寺、
八出天満宮、美作の国映画プロジェクト、津山国際環境映画祭実行委員会
企画協力:Echelle-1 株式会社MEBUKU ダブルスタイル・エイト合同会社
株式会社リストワールインターナショナル
美しい建築の街 津山
城東街並み保存地区夜景
津山市との連携
同時期に開催されている「津山まち博-津山まちじゅう体験博2025(9/20~11/30)」の活動と連携し紹介
津山まち博 公式|岡山県津山市の体験イベント
https://tsuyama-machihaku.net/
以上を掲載した、津山建築祭の公式HPを製作↓
5. その他 特記事項
津山建築祭及び同時期開催イベントへの来場予定者
加藤道夫(東京大学名誉教授)/エスパス・ル・コルビュジエ代表)
竹山聖(建築家/京都大学名誉教授)
遠藤秀平(建築家/神戸大学名誉教授)
宮本佳明(建築家/早稲田大学教授・早稲田芸術学校校長)
倉方俊輔(建築史家/大阪公立大学教授)
松本明(建築家/近畿大学名誉教授)
トーマス・ダニエル(建築家/京都大学教授)
竹口健太郎(建築家/近畿大学教授)
小見山陽介(建築家/京都大学講師)
川西敦史(建築家/岡山大学准教授)
今村瑞稀(建築家/近畿大学講師)
林陽一郎(建築家/ADDA)
CHEN Ye(名古屋工業大学研究生)
富田玲子(象設計集団東京事務所主宰・津山洋学資料館設計者)
斎藤祐子(建築家/吉阪隆正最後の弟子)
下田康成(Echelle-1代表取締役・ル・コルビジュエ設計資料集成の発行人)
入江田翔太(株式会社MEBUKU代表取締役)
大谷健太郎(映画監督) 等
※来春津山市城東地区に完成する、観光庁支援による「美都(びと)A(アーキテクチャーホテル」に活動拠点を設置。
鎹八咫烏 記
石川県 いしかわ観光特使
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(敬称略)
紅山子(こうざんし)
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アーカイブ リンク記事をご覧ください。
美を求め たゆむことなき 都こそ 津山の歴史 光放たん
美都(びと)とは
津山は1300年以上の歴史と文化を有し、津山藩主松平家は徳川家康の第2子結城秀康の末裔である松平宣富を藩祖とする、徳川家とゆかりの深い城下町です。
「美都」のシンボル的存在として、津山市城東地区にある複合宿泊施設を、「美都津山庵」と命名し、映画「十六夜の月子」のロケ地となりました。
「美都」に込めた思いは、単に見せかけの美しさだけではなく。自分以外の誰かのために、自らの人生の全てをかけて成し遂げる覚悟の強さ、しなやかな強さと、深い優しさを持ち、周囲から信頼され愛され、これと決めたことをやり遂げられる、そんな人々が集い紡ぐまちを作り上げることです。
松平 洋史子
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