―模様は吉祥の形。繊細な筆でうつわを埋め尽くす―
背景作品:宮本屋窯≪捻花瓔珞文南山玄霧図独楽形鉢≫江戸時代後期(19世紀) 個人蔵
滋賀県立陶芸の森は、やきものを素材に創造・研修・展示など多様な機能を持つ公園として、また、人・物・情報の交流をとおして地域産業の振興や新しい文化創造の場とするとともに、滋賀から世界へ情報を発信することを目的に整備され、平成2年6月に竣工、開設されました。
大きく分けて4つのエリアから構成され、目的に合わせて、コンセプトの異なるそれぞれのエリアを楽しんでいただけます。文化・芸術の発信地として、園内にはいたるところに陶芸家の作品を屋外展示、また自然豊かな公園としてもご利用いただけます。
やきものの美と魅力を味わう、陶芸専門の美術館
陶芸館
陶芸専門の美術館で、信楽焼だけでなく世界の陶芸など、さまざまなテーマの展覧会を行っています。
展覧会開催中は、予約をいただいた団体等へ作品解説を行うギャラリートーク が行われ、幅広い方に楽しんでいただくことができます。
また併設しているミュージアムショップ「6senses」では、陶器製のガチャガチャ、図録の他、オリジナルグッズも販売しています。
滋賀県立陶芸の森 陶芸館
特別展「九谷赤絵の極致 宮本屋窯と飯田屋八郎右衛門の世界」開催
■展覧会概要
「九谷赤絵」とは、九谷焼の様式の中で、赤と金の細密描写を特徴とする絢爛豪華なやきものです。
九谷焼の赤絵は、石川県加賀市に開窯した「再興九谷」の宮本屋窯(1832~1859)で大成されました。
宮本屋窯の赤絵は、黒みがかった赤(通称・血赤)で文様を細かく描き込んだ赤絵細描と、金彩とともに赤以外の上絵釉を用いた点が特徴です。また画題の一部に、中国・明時代の墨の文様集『方氏墨譜』から着想を得たことで独自の表現を広げました。とりわけ、主画工・飯田屋八郎右衛門(1801~1848)が、細密描写に優れた手腕を発揮しました。
「九谷赤絵といえば宮本屋窯」と呼ばれ、その絵付は極めて繊細で、完成に多くの時間を要するため現存数が極めて少なく、これまで全国的に一堂に展示紹介される機会がありませんでした。
本展では、細密描写という高い技術力に支えられた九谷赤絵の珠玉の作品の数々をご覧いただきます。
■基本情報
会期 :2025(令和7)年10月11日(土)~12月14日(日)
※月曜日休館
10月13日・11月3日・11月24日(月・祝)は開館し、翌日振替休館
会場 :滋賀県立陶芸の森 陶芸館
観覧料:一般900円(720円)、大学生720円(570円)、高校生以下無料
※( )内は20人以上の団体料金
主催 :滋賀県立陶芸の森、九谷赤絵全国巡回展開催実行委員会
協力 :京セラ株式会社
後援 :滋賀県教育委員会、甲賀市、NHK大津放送局、京都新聞
■展覧会構成
第一章 宮本屋窯と飯田屋八郎右衛門
(1)宮本屋窯≪捻花瓔珞文南山玄霧図独楽形鉢≫江戸時代後期(19世紀) 個人蔵
(2)宮本屋窯≪ばく煙閣図筆筒≫江戸時代後期(19世紀) 個人蔵
第二章 宮本屋窯の成立
(3)吉田屋から宮本屋≪波に鶴図小紋四方徳利≫ 個人蔵
(4)古九谷≪菊束に蝶図兜形平鉢≫ 石川県九谷焼美術館蔵
第三章 宮本屋窯の諸相
(5)宮本屋窯≪革図水注≫江戸時代後期(19世紀) 個人蔵
(6)宮本屋窯≪卯亥双丑図円筒形水注≫江戸時代後期(19世紀) 個人蔵
(7)宮本屋窯≪雲龍図木瓜形蓋置≫江戸時代後期(19世紀) 個人蔵
(8)宮本屋窯≪南柯之夢図六稜形鉢≫江戸時代後期(19世紀) 個人蔵
第四章 宮本屋窯のデザイン
(9)宮本屋窯≪王子喬図馬上杯≫江戸時代後期(19世紀) 個人蔵
(10)宮本屋窯≪丸抜小紋三足香炉≫江戸時代後期(19世紀) 個人蔵
第五章 宮本屋窯の影響
(11)湖東焼 幸斎絵付け≪花卉図三段重≫嘉永5(1852)年頃 個人蔵
■関連行事
(1)体験講座「赤絵で吉祥豆皿に絵付けをしよう」【事前申込・抽選制・有料】
・講師:福島武山氏(九谷焼伝統工芸士)
・日時:2025(令和7)年11月22日(土) 10時~12時
(2)福島武山氏(九谷焼伝統工芸士)による絵付け実演見学【先着順・無料】
・日時:2025(令和7)年11月22日(土) (1)13時30分~ (2)14時~
・場所:陶芸館ロビー
(3)ギャラリートーク【申込不要・入場券要】
・日時:2025(令和7)年10月25日(土)、11月9日(日)、12月7日(日)
*各日とも13時30分~(40分程度)
(4)同時開催
京都市立芸術大学との連携企画展「再現実験からみるワグネルと旭焼」[入場無料]
・会期:2025(令和7)年10月11日(土)~12月14日(日)
・会場:陶芸館ギャラリー
(5)ここでもみられる“陶芸の森 コレクション展”
シリーズ・近江のやきものII「湖東焼・湖南焼―華麗なる赤絵の世界」[入場無料]
・会期:2025(令和7)年10月25日(土)~2026(令和8)年1月11日(日)
・会場:甲賀市土山歴史民俗資料館
鎹八咫烏 記
石川県 いしかわ観光特使
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(敬称略)
紅山子(こうざんし)
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アーカイブ リンク記事をご覧ください。
時を越えて、彩りの多文化に出会う!
滋賀県立陶芸の森 陶芸館
■展覧会概要
1973年に開館した町田市立博物館(現在休館中*)は、国内最大級の東南アジア陶磁と、優れた中国陶磁コレクションを所蔵しております。本展は、そのコレクションから東南アジア陶磁器とそれに関連する中国陶磁器、また国内でも名高い中国ガラスコレクションから選りすぐりの作品、あわせて150点で紹介します。
多くの民族が盛衰を繰り返してきた東南アジア。中国とその影響のもとで、時代や地域ごとに多様な発展を遂げた東南アジア陶磁を、技法や色彩による横断的な視点から取り上げ、躍動するアジア工芸の魅力をお楽しみいただけます。
*2027年に町田市立国際工芸美術館(仮称)として開館を予定
■見どころ
(1)国内最大級の東南アジア陶磁コレクションに触れる機会!
(2)多様なアジアの文化をスタイルで紹介!
(3)巡回地の中で、中国ガラスの展示は当館のみ!
(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)
ZIPANG-9 TOKIO 2020 =滋賀県立陶芸の森 陶芸館にて 9月14日から開催= 特別展「躍動するアジア陶磁-町田市立博物館所蔵の名品から-」 時を越えて、彩りの多文化に出会う!
https://tokyo2020-9.themedia.jp/posts/55066326/
芸術を生み出した城下町大聖寺 ~加賀市の見どころ~
石川県九谷焼美術館とは
「古九谷の杜親水公園」の一角に建つ、九谷焼をテーマにした美術館です
青手、色絵五彩手、赤絵金襴手と呼ばれる上絵付けの三様式にあわせて、それぞれ趣向を凝らした展示室に作品を並べ、360年以上の歴史を持つ九谷焼の魅力を紹介しています。
白山信仰
白山は、雪をかぶった純白の印象から、古くは「越の白嶺」とも呼ばれ、養老元年(西暦717年)に越前の僧「泰澄大師」が開山した信仰の山として、また、富士山、立山と並ぶ日本三名山の一つとして知られています。 白山は独立峰で周りに高い山がないため、北陸、東海、近畿の各地方から仰ぎ見ることができ、古来から都の人々に知られてきました。雪に覆われる冬の白山は、海からの目印ともなり、神の山として古くから崇拝されてきました。
御前峰には白山比咩神社の奥宮がおかれ、全国に三千社余りもあるという白山神社の総本宮として、崇敬を集めています。
三馬場と三禅定道
白山の山頂は禅定(霊山で修行すること)の到達点であると考えられたため、修行僧が登るようになり、しだいに道が作られていきました。
この道を禅定道といい、越前、加賀、美濃にあるぞれぞれの道は越前禅定道、加賀禅定道、美濃禅定道と呼ばれました。天長9年(西暦832年)には、禅定道の起点に越前馬場、加賀馬場、美濃馬場の三つの馬場が成立したと言われており、白山信仰の拠点として栄えました。
現在も各所に修行のための行場や宿泊所を兼ねた室跡などの旧跡が残っています。
白山比咩神社
加賀馬場の中心は石川県白山市鶴来の白山本宮・白山比咩神社です。
加賀国の一宮で平安時代から藩政期まで、在地領主の奉賀がたびたび行われました。
(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)
ZIPANG-4 TOKIO 2020 芸術を生み出した城下町大聖寺 ~加賀市の見どころ~
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/7496079
加賀 伝統工芸村 ゆのくにの森
13万坪にも及ぶ自然豊かな森に、茅葺の古民家を移築した伝統工芸村。
17の館ではさまざまな伝統工芸が揃っており、各館ではそれぞれの工芸品の製作過程の見学や、友禅染・ろくろ回し・上絵付・金箔貼りなど11の館で50種類以上の伝統工芸の体験ができます。 もちろん出来上がりはお持ち帰り(日数がかかるものについては郵送)できます。
加賀市は、
全国有数の温泉地であり、山代温泉、片山津温泉、山中温泉の加賀温泉郷が有名で、毎年200万人の観光客が訪れます。日本を代表する器である「山中漆器」や「九谷焼」がこの地から誕生し、モノづくりをはじめ、深さと広さをひた向きに追及、挑み続ける加賀の風土が現代に息づいています。
◎人口:66,433人(2019年12月1日)
◎特産・名産品:輸送用機械機器、九谷焼、山中漆器、カニ、甘エビ、ブロッコリー、トマト、坂網鴨、棒茶、日本酒などがあります。
(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)
ZIPANG-4 TOKIO 2020 古今折衷 加賀温泉郷と加賀市の~未来~
https://tokyo2020-4.themedia.jp/posts/7485862
信楽【MIHO MUSEUM】
金峯山の遺宝と神仏
平安貴族として栄華を誇った御堂関白・藤原道長。 彼は寛弘四年(1007)、自ら書写した法華経を携え平安京を出発し、 奈良県吉野の金峯山山上へ登り、蔵王権現に祈りを捧げ経筒を埋納した。
建築家I.M.ペイ
光こそ鍵
「日本の昔の建築家は、土地と建物そして景観を調和させる、そういったフィーリングをもっていました。もちろん、わたしは真似はしたくありません。しかし、日本人の心、文化、伝統を尊重したいと強く思いました。」
「私は確信しているのです。光こそが建築にとってその成否の鍵を握っていると」
(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)
ZIPANG-7 TOKIO 2020 特別展「金峯山の遺宝と神仏」12月10日(日)まで開催! 信楽【MIHO MUSEUM】
https://tokyo2020-7.themedia.jp/posts/48497242
通常非公開
尼門跡寺院 京都・霊鑑寺
■霊鑑寺について
「椿の寺」として知られる霊鑑寺は、承応3年(1654)、後水尾(ごみずのお)天皇の皇女・多利宮(たりのみや)を開基として創建され、歴代皇女が住職を務めた尼門跡寺院。別名「谷の御所」と呼ばれた格式と清楚な佇まいを今に伝えている。
後西(ごさい)天皇の院御所から移築した書院は「四季花鳥図」など狩野派の作と伝わる華麗な障壁画で飾られ、本堂は江戸幕府十一代将軍・徳川家斉(とくがわいえなり)が寄進したもので、如意輪観音像を安置している。後水尾天皇が椿を好まれたことから、広い庭内には100種類以上の名椿が植えられている。
庭園には100種類以上の椿が・・・
庭園で見ることができる椿は、日光椿(京都市指定天然記念物)をはじめ、散椿、白牡丹椿、舞鶴椿など、100種類以上。椿は種類によって開花時期が異なるため、訪れる時期によってちがった景色を楽しめます。
編集後記
霊鑑寺門跡の椿の記事を編集しておりましたら、悪ガキの頃、熱田の森(熱田神宮)奥深く迄入り込んで椿の実を採って遊んでいたことを想いだした…何に使うでもなく、ただ遊び道具の一つとして「ちっちゃな手の平の中に相手が幾つの椿の実を握っているのか?当てっこだった」今思うと単純な遊びに思えるが、当時は何と無く宝物のように思っていたのかな・・・
今朝も雨の中、アリの額ほどの我が家の庭に「ヒーヨヒーヨ」と啼きながら日本の野鳥ヒヨドリがやってきた、既にピラカンサス(ピラカンサ)の花・実は食べ尽くされ、おふくろが遺していった(恐山で逢えるかな…)椿の花の蜜を目当てに・・・当分の間はヒヨドリが落としていった花の掃除である。
(詳細・画像は下記のURLからご覧ください。)
ZIPANG-7 TOKIO 2020通常非公開の尼門跡寺院 京都・霊鑑寺 「春の特別公開」を4月9日(日)まで開催します❣ ~椿の咲き誇る庭園や狩野派作の襖絵を特別公開~
https://tokyo2020-7.themedia.jp/posts/42169847
石川県内36業種の伝統工芸
北大路 魯山人寓居跡 いろは草庵
江戸時代、加賀藩主・前田家が推し進めた文化振興策によって、石川県には現代まで受け継がれる華やかな工芸文化の数々が花開きました。
「九谷焼」をはじめとする焼き物、「輪島塗」、「山中漆器」や「金沢漆器」に代表される漆芸、「加賀友禅」、「牛首紬」や「加賀繍」のような着物、
現在も金箔の全国シェア99%を誇る「金沢箔」、 漆芸や木工芸の技を盛り込んだ「金沢仏壇」や「七尾仏壇」などなど。
魯山人寓居跡 いろは草庵
金沢の文人・細野燕台の食客となった魯山人は、大正4年秋から翌年春までの約半年間、山代温泉に滞在し、菁華窯などの刻字看板を彫っていました。
その寓居を当時そのままに公開しているのが、「いろは草庵」であります。仕事場や書斎、囲炉裏の間が見学できるほか、土蔵を改装した展示室では作品も展示しています。
山代温泉の旦那衆は、当時まだ無名であった魯山人の才能を認め見出したのです。
この山代温泉で魯山人は燕台の煎茶仲間でもある初代・須田菁華から陶芸の手ほどきを受けて以来、刻字看板制作の傍ら菁華窯に通い作陶に力を注ぎました。
山代は、魯山人の才能を開花させた地ともいえるのです。
後年この別荘をたびたび訪れた魯山人は、旦那衆と書画、骨董について語り合い、旬の食材を用いた料理を味わい、美食談義に花を咲かせたという。
晩年には、「私ハ先代菁華に教へられた」(昭和30年・金澤美術倶楽部の講演の演題)と述べています。亡くなる4年前のことでした。
故郷をもたない魯山人にとって山代の地は、心許せる居心地のよい場所であったにちがいない。
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