トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)とJoby Aviation(以下、Joby)は、両社の創業以来の夢である、空のモビリティの実用化に向け、トヨタの代表取締役会長の豊田章男、Jobyの創業者兼CEOのJoeBen Bevirt(ジョーベン・ビバート氏)が空への想い、情熱を確認し合いました。
世界遺産 富士山上空を行く‼ Joby eVTOL
トヨタは創業以来、誰もが自由に移動できるモビリティ社会の実現に向けて、空のモビリティに挑戦してきました。
今から100年前の1925年、トヨタグループの創始者である豊田佐吉は懸賞金を寄付し、「飛行機に載せて、太平洋をひとっとび」できる性能を持つ蓄電池の開発を推奨しました。
それは、eVTOL*にも通ずる、動力源としての電池の可能性を見出し、次世代への夢として続いています。その後、トヨタ自動車創業者の豊田喜一郎は航空機事業にも強い関心を抱き、ヘリコプターや航空機の部品の試作などを行いました。
戦後、豊田章一郎は、トヨタにおけるエアロ開発発祥の地である東富士研究所において米国企業と世界初となる電子制御のエアロ・ピストン・エンジンの共同開発を行うなど、空のモビリティへの挑戦は、脈々と受け継がれてきました。
そして現在、モビリティカンパニーへの変革を掲げるトヨタはJobyという素晴らしいパートナーと共に挑戦する機会に恵まれました。
「環境への影響がより小さくなる世界、渋滞に悩まされることなく、大切な人や場所と過ごす時間を増やせるような世界に変えたい」という夢と情熱を持つJobyのジョーベン・ビバート創業者兼CEOと、すべての人に移動の自由をお届けすることを願う豊田章男が出会い、共に歩み始めました。
エンジニアのスタートアップとして始まったJobyの空のモビリティへの夢と情熱とトヨタの自動車生産及び技術開発の知見を活かした7年にわたる両社の取り組みを経て、eVTOLは日本で初めての試験フライトを行いました。
Joby ジョーベン・ビバート 創業者兼CEO(左) トヨタ自動車 豊田章男 代表取締役会長(右)
Jobyの創業者兼CEOであるジョーベン・ビバート氏は、「日本でのフライトは、我々が長い間待ち望んできた瞬間であり、クリーンな空の旅を実現するための重要なマイルストーンになります。当社は、トヨタの空のモビリティに対するビジョンに共感しており、その未来の一端をお披露目する機会を得たことを光栄に思います」と語りました。
コメント全文
Joby-Toyota Japan Premiere Flight JoeBen CEO スピーチ
Joby ジョーベン・ビバート 創業者兼CEO
皆さん、この素晴らしい場に立てたことを大変光栄に思います。また、私たちが共に成し遂げた進歩を祝うために招待してくださった主催者のトヨタに感謝いたします。
今日は天候に恵まれませんでしたが、ここ数日、私たちのチームはまさにこの空の上で、何度となく公開飛行(エキジビション)を成功させてきました。これはジョビーが米国以外で初めて実施した飛行であり、私たちの旅における素晴らしいマイルストーンとなりました。
高速でクリーンかつ静かな航空機の開発は、私にとって長年の夢です。
カリフォルニア州サンタクルーズのセコイアの森で育った私は、毎日数キロを歩いて学校に通っていました。長い道中で、新しい移動手段を思い描くようになりました。それは、私たちが暮らす素晴らしい環境を守りながら、空を高速かつ静かに移動できるものでした。
2009年、私はその夢を実現するためにJoby Aviation社を設立しました。
そして今日、この背後に見える機体とともに、航空産業における次の大きな革命の始まりに立っていると信じています。
私とトヨタの関係は皆さんが思うよりもずっと早いもので、1991年に初めてのクルマとして青いトヨタのトラックを購入しました。そのトラックを選んだのは、トヨタが世界で最も信頼性が高いと評判だったからです。何年もこのクルマを愛用しましたし、Joby設立のために集まった数名のエンジニアにとっても大切な相棒でした。
現在、Jobyのスタッフは2,000名を超えましたが、そのトラックは今でもJobyの周辺を走り回っており、走行距離は20万マイル近くに達しています。
トヨタから最初に迎え入れた幹部の一人が友山茂樹氏で、彼はカリフォルニアにある当社の機体を見るためにやって来ました。その後、日本での豊田章男氏との会合が続きました。
会合では、これは時代を超えたパートナーシップになるとすぐに確信しました。
豊田さんは、祖父が抱いていた空への情熱と、世界で最も信頼されるモビリティサービスプロバイダーになるというビジョンについて説明してくれました。それ以来、私たちはその
ビジョン実現に向けて共に歩んできました。
トヨタはこれまでに何度かJobyに投資してきましたが、それ以上に重要なのは生産面での
サポートです。トヨタはJobyのツール設計を支援し、工場のレイアウトについてもアドバイスを提供するほか、航空機に搭載する部品も供給してくれています。
彼らは私たちにとって理想的なサポーターです。トヨタの経験と知識を活用できることは
非常に幸運であり、彼らが私たちの成功にどれほど重要であったかは言葉では表現しきれません。
Jobyの野望は決して小さなものではありません。私たちは世界を変え、人々の生活や旅行のあり方を革新したいと考えています。それは、トヨタが87年間にわたって成し遂げてきたことでもあります。
Jobyは、空の移動が当たり前の時代を待ち望んでおり、同時に環境への影響がより小さくなる世界も期待しています。そして、大都市の渋滞を回避し、高速道路が整備されていない
地域を結ぶことで私たちにとって大切な人々や場所と多くの時間を過ごせる世界を心待ちにしています。
早ければ来年にも商業運行を開始する予定で、Uber、デルタ航空、ANAなどの素晴らしい
グローバルパートナーと協力しています。すでに日本の国交省航空局には、当社の航空機の認証取得を申請しています。
日本において、クリーンで静か、かつ高速な移動手段を提供できる大きな可能性があると確信しています。また、この素晴らしい国、日本の驚異的な美しさを、日本の皆様や旅行者に新たな視点から見ていただきたいと考えています。
しかし、私の後ろに見える機体は、第一歩に過ぎません。私たちはまだやるべきことがたくさんあります。そして、未来がどうなるかを見る日が待ちきれません。トヨタとともに、
航空産業の次の黄金時代を迎えられることを楽しみにしています。トヨタ、そして今日の成功を可能にしたジョビー、トヨタのチームの皆さんの素晴らしいサポートと先見性に、心から感謝しています。ありがとうございました。
この歴史的な会を主催していただき、改めて感謝申し上げます。
そして、トヨタの中嶋さんにマイクをお渡しします。
トヨタの取締役・副社長の中嶋裕樹は、「空のモビリティは『距離と時間の感覚』を変える可能性を秘めております。空のモビリティという新しい選択肢が加わる未来は、多くの人たちの生活をさらに豊かにしていくことでしょう。
トヨタもモビリティカンパニーとして、空と陸のシームレスな移動を実現し、あらゆる人たちが自由に移動できる社会を目指してまいります。Jobyはこの新しいモビリティ社会の実現に向けた重要なパートナーです。トヨタもJobyとの協業を一層深め、Jobyと共に夢の実現に向け歩み続けてまいります。」と語りました。
コメント全文
Joby-Toyota Japan Premiere Flight 中嶋スピーチ
トヨタ自動車 取締役・副社長 中嶋 裕樹
トヨタ自動車副社長兼CTOの中嶋です。
本日は足元の悪い中、また遠方よりお越しいただき、誠にありがとうございます。
本日は、ここまでお越しいただくのにどのくらいお時間がかかりましたでしょうか。
東京からお越しの方は1時間半から2時間ほどかかったのではないでしょうか。
このeVTOLだと、わずか25分です。
「距離と時間の感覚」を変える大きな可能性、夢を感じませんか。
空のモビリティという新しい選択肢が加わる未来は、多くの人たちの生活をさらに豊かにしていくと思います。
トヨタの「空」への想いは、トヨタ自動車 創業前までさかのぼります。
今から100年前の1925年、トヨタグループの創始者・豊田佐吉翁は、太平洋をひとっとびできる蓄電池の発明に100万円の懸賞金を寄付しています。
当時大卒の初任給が60円だった頃です。ここからトヨタの空への想いが始まります。
トヨタ自動車の創業後、その航空機への想いはさらに具体的になります。
トヨタ自動車創業者の豊田喜一郎は国産車の量産と共に、パーソナルな飛行機の開発を目指しました。
当時を知る、日本電装の白井武明・元会長によると、豊田喜一郎は「飛行機だとかヘリコプターだとか、しょっちゅうメモに略図を書いていた」そうです。
戦後、豊田章一郎は、まさにここ、トヨタにおけるエアロ開発 発祥の地である東富士研究所において、米国企業と世界初となる、電子制御のエアロ・ピストン・エンジンの共同開発を行っていました。
そして現在、モビリティ・カンパニーへの変革を掲げるトヨタはJoby Aviationという素晴らしいパートナーと手を組む機会に恵まれました。
2019年2月、JoeBen CEO と当時社長の豊田が出会い、このプロジェクトは本格的にスタートいたしました。
その後も交流を重ねる中でJoeBenさんの「社会を変革したい」という想いに、
豊田は「Joby機があれば、生活が変わる。シームレスな移動を実現できれば、ゲームチェンジャーになる」と大いに共感し、共同プロジェクトが加速してまいりました。
JoeBen CEOは先ほどのスピーチの中で、「世界を変えたい。人々の生活や旅行のあり方を変えたい。環境への影響がより小さくなる世界、渋滞に悩まされることなく、大切な人や場所と過ごす時間を増やせるような世界を待ち望んでいる」とおっしゃいました。
そうした夢と情熱をもつ創業者と、すべての人に移動の自由をお届けすることを願うトヨタの想いが重なり、夢を実現していくパートナーとして共に歩み始めました。
トヨタは、JoeBen CEOのような、夢と情熱を持ったパートナーを応援し、共に世界に挑戦したい、誰もやったことがないことにチャレンジしたいと考えています。
先日の「世界一速いクルマを走らせたい」という夢を共にするHaas F1との提携も、また、「宇宙でクルマを走らせたい」という少し前なら夢のようなことを、ルナクルーザーというプロジェクトを通じて仲間と共に挑戦していることも、同じトヨタの想いです。
本日、JOBYのeVTOLが米国以外ではじめて飛行します。
いよいよ、JOBYとトヨタが描いていた夢の実現が近づきつつあります。
その夢の一部をみなさまにも実感していただきたいと思います。
それでは いよいよテイク・オフです!
トヨタは、創業期からの志を受け継ぎ、モビリティ事業を核に、すべての人に移動の自由をお届けし、世界中の人々を笑顔にしていきます。そして、Jobyという同じ夢を持つ仲間と共に、もっと自由で、もっと豊かな未来の実現に向けて取り組んでまいります。
eVTOL*(電動垂直離着陸機)について
Joby eVTOL
eVTOLは、短距離・多頻度運航用に設計されており、都市圏にて通勤者や出張者、旅行者によるオンデマンド利用が見込まれる空飛ぶタクシー市場のニーズに適しています。また、ヘリコプター、ドローン、小型飛行機の要素をもち、信頼性、環境性(ゼロ・エミッション)、静粛性などに優れています。運用コスト、メンテナンスコストも低く抑えることができ、強化された安全機能も備えています。
*Electric Vertical Take-Off and Landing イーブイトール
今回の取り組みを通じて特に貢献可能なSDGsの目標
鎹八咫烏 記
石川県 いしかわ観光特使
伊勢「斎宮」明和町観光大使
協力(敬称略)
紅山子(こうざんし)
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アーカイブ リンク記事をご覧ください。
トヨタ自動車 豊田章男社長の約束とは ❣❣❣
裾野市からの富士山の眺め!
裾野市から観える富士山最大の特徴は宝永火口が正面に観えることです。
豊田でございます。
本日は大変お忙しい中、多くのご来賓の皆様にご出席を賜り、誠にありがとうございます。本日、地鎮祭を迎えるにあたり、これまで多大なるご支援、ご協力を賜りました 裾野市、静岡県および地域の皆様、そして工事関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。
コロナ禍において、決めたことを決めた通りに進めるということは決して簡単なことではないと思います。関係者の皆様のご尽力に心より感謝申し上げます。
昨年 12 月 9 日。
地域の皆様にお支えいただきながら、この地で生産を続けてまいりましたトヨタ自動車東日本の東富士工場が 53 年の歴史に幕を閉じました。
ここで働いてきた人は 7 千人。
この場所に、毎日、1,400 万歩の足跡を残したことになります。
これまでに生産した車は 752 万台。
センチュリーからジャパンタクシーまで、多種多様なクルマを世の中に送り出してまいりました。
まさに日本のモータリゼーションをけん引し、人々の暮らしを支え、クルマ文化をつくってきた工場だったと思います。
続く・・・
(詳細は下記のURLよりご覧ください。)
ZIPANG-5 TOKIO 2020 速報 2月23日“富士山”の日。トヨタ自動車 豊田章男社長の約束とは ❣❣❣
https://tokyo2020-5.themedia.jp/posts/14822711
経済産業省、国土交通省合同
“空飛ぶクルマ”の実現に向けたロードマップを作成‼
災害時の救急搬送や迅速な物資輸送
経済産業省は、国土交通省と合同で、日本における“空飛ぶクルマ”の実現に向けて、官民の関係者が一堂に会する「空の移動革命に向けた官民協議会」の第4回会合を開催し、ロードマップを取りまとめました。
1.背景・趣旨
都市の渋滞を避けた通勤、通学や通園、離島や山間部での新しい移動手段、災害時の救急搬送や迅速な物資輸送などの構想を描いて、様々な分野の関係者が、「空飛ぶクルマ」の開発を始めています。
こうした構想を具体化し、日本における新しいサービスとして発展させていくためには、「民」の将来構想や技術開発の見通しをベースに、「官」が、民間の取組みを適時適切に支援し、社会に受容されるルールづくりなどを整合的に進めていくことが重要です。 経済産業省は、国土交通省とともに今年8月より「空の移動革命に向けた官民協議会」を開催し、ロードマップを取りまとめました。
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